すかいらーくがコメダに実は翻弄されている理由 「100店閉鎖」に至らしめたインフレ以外の要因
「ガスト」や「ジョナサン」「バーミヤン」などを運営する、ファミレス業界最大手のすかいらーくホールディングスが8月12日、2022年上半期決算を発表すると同時に、ロードサイド店舗を中心とするグループ店舗約100店舗の閉鎖を決めたことを発表した。
この発表からすぐ、ネットではすかいらーくグループについて多くの分析が行われている。
すかいらーくを「大量閉店」に至らしめた要因とは
例えば、「すかいらーく衝撃の『100店舗閉店』は序章…新たな‟トラブル”の可能性」(マネー現代・8月24日配信)では、流通アナリスト・中井彰人氏がインフレの影響と並べて、「特別感のある専門店と違い、普遍的なメニューが並ぶファミレスは客離れも進みやすいと考えられます」との指摘を加えている。
もちろん、これらの指摘には多くの人が納得するだろう。とくに「ガスト」のような低価格を売りにする店では、原材料費の高騰の影響は相対的に大きくなるはずだし、特徴的な商品を売り出しにくいファミレス特有の事情もあるのも間違いない。
しかし、それでも筆者としては、1つの疑問――それも、もっと単純な疑問だ――を持たざるを得なかった。「ファミレスから、コメダ珈琲店をはじめとする郊外型カフェチェーン店に消費者が流れていっているのも、かなり大きいのでは?」という疑問だ。
そして、筆者はチェーンストアについて著作を発表しているが、どちらかと言うとこれはイチ消費者としての私の、実感を伴った疑問である。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら