日本の家族が「コロナ自宅療養」で陥る壮絶事態 3割で「濃厚接触者」が食料や日用品の買い出し

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自宅療養者が自分でしたことを尋ねると、「トイレで用を足す」「衣服の着脱」「食事をする」は7~8割ほど、それに伴う家事にあたる「食事をつくる」は25%、「衣服の始末」「トイレの消毒」は4割以下だ(図5)。自宅療養者が自分でしなかったことは、ケア役がいればその人がしたか手伝ったのだろう。

2人以上の世帯が直面する困難

自宅療養の問題というと、1人暮らしで自宅療養になり亡くなったという痛ましい事件が印象に残っているかもしれない。しかし調査してみると、1人世帯(全体の14%を占める)と2人以上の世帯ではそれぞれの困難とニーズを抱えていることが明らかになった。

「生活面で困ったこと」を尋ねると、意外なことに1人世帯では半数近くが「あてはまるものはない」を選んでいる(図6)。2人以上世帯が神経をすり減らしている「隔離」や「消毒」があまり必要ないからだろう。「子どもの世話をするのが大変だった」のも2人以上世帯だからこその困りごとだ。

一方で、「食料品や日用品の入手が難しかった」のは、1人世帯ではもちろんだが、2人以上世帯でも同じくらい選ばれている。同居していれば全員が濃厚接触者になってしまうので、2人以上世帯でも買い物は原則禁じられている。

次ページ2人以上世帯の3割で「濃厚接触者が買い物に」
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