「寂しい独身男性が急増」世界中で問題の深い背景 「恋愛・結婚に必須のモテ条件」が大変化した?

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もちろん、恋愛や結婚はあくまでも選択肢のひとつでありますが、女性の場合、未婚や子どもがいなくても幸福度が高い一方で、男性の場合、パートナーがいない人のほうが、幸福度が低いという結果が出ています

男性のスキル不足について、マトス氏は、「低いコミュ力が許容されにくくなり、関係性を保つスキルがなければ、恋人を見つけることは難しい。男性が、コミュニケーションスキルをアップデートしていく必要があるが、そういったノウハウが家庭でしっかりと教えられる機会はあまりない」と記しています。

「恋活・婚活」の前に、まず「コミュ活」が必要

「コミュニケーション教育」の盛んなアメリカでこういった事態であるのですから、「話し方」などがまったく教えられることのない日本の状況は推して知るべしと言えるかもしれません。

残念ながら、人間関係構築に必要な「コミュ力」を学ぶ機会が日本にはあまりに少なく、男女問わず、多くの日本人が、人間関係に悩みを抱えています

20代男性の4割が「デートの経験がない」、また7割が「配偶者、恋人がいない」という、6月に発表された内閣府の白書に衝撃が広がりました。

恋活、婚活の前にまずは「コミュ活」が必要です。

「少子化対策が必要だ」というのであれば、まずは健全な人間関係を築いていくための「コミュニケーションの基本ルール」である「話し方」を学ぶ機会を、もっと増やしていくべきなのではないでしょうか。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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