スタバが“透明感あるコーヒー"を出した深い意味 中目黒「ロースタリー」開業3年、圧倒的支持の訳
同社にとって、このドリンクはどんな位置づけなのだろうか。
「スターバックスが日本1号店を銀座にオープンしてから、今年で26年となります。この間、さまざまな訴求をしてきました。例えば以前、『サードウェーブコーヒー』が流行した時は、コーヒー豆の産地や栽培、焙煎方法などを下に深める店や会社も多かったですが、当社では間口を広げる訴求をしてきました。今回も横に広げる提案になります」
鈴木麻子さん(サイレンリテイルプロダクトイノベーション部 部長)は、こう話す。
「ドリンクの区分では、これまでスターバックスでは、①ドリップコーヒー、②ティー、③ラテ、④フラペチーノが4本柱でした。爽やかさも打ち出したコーヒーエイドは、第5のドリンクの可能性を秘めていると思います」(石村さん)
国内1700店における「ロースタリー」の役割
少し引いた視点で考えてみたい。「スターバックス コーヒー」の国内店舗数は、最新の数値で1727店(2022年6月現在)だ。2位の「ドトールコーヒーショップ」が1071店(同)なので、店舗数でも競合を圧倒している。
そうした会社にとって、国内に1店舗、世界的にも6店舗しかないロースタリーは、いわば「旗艦店」(フラッグシップ)だ。他の店とは異なり、施設内には焙煎機能もあれば、焼き立てパン売り場やラウンジなども備え、ここで働くことを目指す従業員も多い。
同社はロースタリーの役割を「イノベーションハブ」(革新的な商品・サービスを生み出す基盤)と説明する。「高いスキルを持つバリスタやバーテンダーがいて、エッジのきいた商品開発も行うから」だという。その一面を紹介しよう。
施設2階には茶系飲料を前面に打ち出した「ティバーナ」があり、一般的なスタバの店では飲めないドリンクも多い。各地への出店も行い、2020年7月に開業した東京・六本木を皮切りに、大阪市や福岡市、富山市にもティバーナの店が展開されている。
石村さんが入社時に配属された、3階の「アリビアーモ バー」は、こだわりを持ったバーだ。ここでは設備や器具も充実しており、個性的なカクテルも飲める。
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