スタバが“透明感あるコーヒー"を出した深い意味 中目黒「ロースタリー」開業3年、圧倒的支持の訳

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スターバックス リザーブ ロースタリー 東京の店内
ロースタリーはテラス席も充実し、景色を楽しむこともできる(筆者撮影)

スタバは、自社の店舗を自宅(ファーストプレイス)や職場・学校(セカンドプレイス)に続く「サードプレイス」(第3の場所)と位置づけて訴求してきた。だが長引くコロナ禍で「その解釈にも変化が生じた」と関係者は口を揃える。

「リモートワークが浸透し、ファーストとセカンドの境目がなくなる中、お店が『生活の中で大切な存在になりたい』と思っています。

2020年に緊急事態宣言が発令されて、大半の店舗を休業せざるをえなかった時、お客さまから休業店舗に多くのメッセージが寄せられました。その後に再開する時は『ありがとう』とも言われました。会社として、厳しい運営を強いられた時期でしたが、お客さまの温かい言葉に社内がすごく励まされたのです」(鈴木さん)

店舗が拡大した要因は“鮮度”

筆者が最初にカフェの国内店舗数を調べ始めた時、「ドトール」が1138店(2008年8月末)、「スターバックス」が841店(2009年2月末)だった。十数年たち、スタバの店舗数は倍増した。

なぜ、ここまで拡大できたのか。スターバックスは“鮮度”を訴求し続け、消費者に支持されたからだと思う。それを支えたのがブランドを愛し、情熱的に対応する従業員だ。

「ドリンクでも、コアメニューを継続して提供する一方、期間限定品などは同じものを続けなかったりしています。いつ来店されても、新しさを感じていただきたいのです」

業績を上げ続けるメーカーの中には「新商品は発売時から改良対象」の哲学を持つ会社もある。新商品の発売も、さらなる商品開発(進化)という意味ではスタートだ。

少子高齢化が続き、閉塞化した日本で、1700店もの店舗を安定運営できるのも、鮮度や情熱にかかっている。それがなくなれば、スターバックスらしさも失われてしまう。

スターバックスコーヒー 中目黒
駅前商店街にある店舗でも、従業員が黒板に手書きで説明する(筆者撮影)
高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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