意外!マレーシアでインターンという選択肢 大学3年生が現地企業で考えていること

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苦手だったパソコン作業が、最終的にはWordPressでウェブサイトを作成できるまでになった。実際にシンガポールから起業家を招き、事業に対するフィードバックをもらった。まさにゼロからイチをアジアで作りあげ、考える癖がついた。最近ではメディアを使った情報発信も担当するようになった。

「自分の能力の限界がわかったこと、自信がついたことが大きいですね。残りの学生生活で自分が何をしたくて何をすべきなのかが、よくわかりました」と振り返る。

大学を見渡してみると、周りに休学して留学する人は非常に少ない。若者が「内向き」と言われるのは本当だと高稲さんはいう。

「実は、大学で学生として勉強していることに意味があるのか、正直よくわかりません。正直、この1年は学生時代の2年に匹敵するくらいの濃さがありました。何より、仕事の楽しさがわかりました。大学では、『楽単』といって、楽に単位が取れる授業が人気だったりしますが、果たしてそういった生活にどれだけの意味があるのかなと疑問です」

就職活動が終わったら、今度は中国かインドネシア、マレーシアにまた留学に行きたいという。高稲さんは、日本の学生に海外に出ることを勧めたいという。

「人間が変わる方法は3つしかない」

「私自身、この1年は大変貴重なものとなったと感じています。ですから、どんな形でもいいので海外に出ることをお勧めしたいですね。大前研一さんが、人間が変わる方法は3つしかないといっています。ひとつ目は時間配分を変えること。ふたつ目は住む場所を変えること。3つ目は付き合う人を変えること。海外に出ると3つが全部変わります」

そして以下のように続けた。

「以前は海外に出ると変わるよ、という人に反発を覚えていました。けれども、私自身も日本出発前と比べ、大きく変わったように感じています。まず、視野が広がり、多くのことに関心を持つようになりました。さらに、今では『アジア、世界で通用する人材になる』、そんな考えも出てくるようになりました。これまでに約20ヵ国を訪れましたが、マレーシアがいちばん好きです。何がそんなにも魅力的なのか。ぜひ自分の目と肌で感じに来て欲しいと思います」

野本 響子 ジャーナリスト

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のもと きょうこ / Kyoko Nomoto

東京都立青山高校、早稲田大学法学部卒業。安田火災海上保険(現損保ジャパン)を経てアスキー入社。『MAC POWER』(アスキー)、『ASAHIパソコン』『アサヒカメラ』(朝日新聞出版)の編集者を経て現在フリー。『僕がアップルで学んだこと』『企業が『帝国化』する』(ともに松井博著/アスキー新書)編集。著書に『いいね!フェイスブック』(朝日新聞出版)、『マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩』(Kindle)ほか。1990年代半ば、仲良くなったマレーシア人家族との出会いをきっかけに、マレーシアの子育てに興味を持ち、現在クアラルンプール郊外に長期滞在中。趣味はオーケストラでの楽器演奏。

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