「専業主婦つきの男」への止まらぬ嫉妬 噴出する「私だって家政婦が欲しい!」の声

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このように女性たちが専業主婦について、いろいろと考えている一方で、男たちの考えは依然としてぼんやりとしたままです。

周囲の独身男性(20~30代)に「将来、奥さんには働いてほしいか、専業主婦になってほしいか」と尋ねると、返ってくる最も多い答えは「どっちでもいい」です。

というのも、彼らにとって「女性の働き方」という課題は、はっきりいって他人事。「母親が専業主婦だったから、妻にも断固それを要求する」といった保守派はほとんどいなくなりましたが、逆にそのおかげで議論はあいまいになった印象。きちんと妻のライフキャリアについて考える男性は、相変わらずまれです。

「妻が家のことをやるのが前提」の男たち

「働いてもいいけど、自分より稼がれると正直、複雑な気持ちだな。あ、もちろん、家のことはちゃんとやってほしいかな」

「現実的に考えると、共稼ぎのほうが収入があっていいよね。でもまあ、子どもができたら、辞めてもらうんだろうなあ(そのときになったら考えよう)」

など、どこまでものんきそのもの。もちろんそこには、自分が仕事を辞めて家庭に入るというビジョンは含まれていません。

冒頭の独身キャリア女性のような意見に対しても、「そっちこそ、守るものがなく気楽に働けてうらやましい」と反駁したり、「じゃあ、専業主夫になってくれる男と結婚すれば(笑)」と茶化したり。まじめに取り合おうとはしていません。そのことが、どれだけ働く女性をいらだたせていることか。

内閣の声高な主張を待つまでもなく、これからの日本は、「女性」という眠れる資産を再活用しないと生き残れません。専業主婦が話題になっているこのタイミングで、世の男性たちは少なくとも身の回りの女性の悩みに、耳を傾けるべきでしょう。
 

五百田 達成 作家、心理カウンセラー

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いおた たつなり / Tatsunari Iota

米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー、株式会社 五百田達成事務所代表。35万部を突破した察しない男 説明しない女シリーズ、『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て独立。「コミュニケーション心理」「職場の人間関係」を主なテーマに執筆や講演を行う。

 

 

 

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