近頃、何かと専業主婦が注目されています。「女性活用」を叫ぶ安倍内閣の下、「配偶者控除の見直し」がたびたび議論されますし、『ハウスワイフ2.0』『専業主婦になりたい女たち』などの本も話題に。
この専業主婦問題は、単なる女性の生き方・人生選択の話にとどまりません。多くの企業にとって重要な、ひいては日本全体の、問題です。
家政婦つきの男性と互角に戦えなんて…
以前、ある女性(未婚・36歳)から愚痴をこぼされました。彼女は大手広告会社で営業職としてバリバリ働いているのですが、「社内のライバルはみな、既婚男性。彼らには『家政婦』がついているから勝ち目がない」と嘆くのです。
彼女の職場の結婚している男性の奥さんたちは、ほとんどみな専業主婦。絵に描いたような(逆に言うと、今どき珍しいぐらいの)夫が働き、妻が家庭を守るシステムです。
家庭のことを奥さんにきちんとやってもらって(ワイシャツはいつもぱりっとしていて)、物理的にも精神的にもサポートを受けながら働けている彼らに対し、自分自身はマンションで独り暮らし。気ままと言えば気ままですが、部屋も散らかりがちで、彼氏もおらず、ついつい気持ちもすさんでしまう。
これでは、仕事のパフォーマンスに違いが出てくるのは当然、というのが彼女の言い分です。「ただでさえ女性が出世しにくい会社なのに、これ以上の昇進は厳しい気がする。そろそろ限界かも。私だって専業主婦が欲しい!」と怪気炎を上げるのでした。
彼女のように素直に本音を吐き出せる人はまれですが、多くの働く女性が「家のことを誰かにやってもらいたい」と感じている……。そのことが、専業主婦家庭へのやっかみにつながっているというわけです。
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