知ると腑に落ちる「天才科学者は少食が多い」ワケ アインシュタインやニュートンらの食事情
医学者で細菌学者の野口英世もやはり研究第一で、生活はメチャクチャだった。マリー・キュリーと同様に、子ども向けの偉人伝では必ずといってよいほど取り上げられるが、親として子どもが見習ってほしい人物かと言われれば、口ごもってしまう。
お金があればあるだけ使ってしまう野口。食事においても計画性はなく、とにかく手早く済まそうとした。店ではいつも同じメニューを頼んでは、ろくに味わわず、本を読みながらフォークで口に放り込んでいたという。
研究に熱が入れば、食事を抜くこともしばしばだった。夕方になって同僚から「家に帰らないのか」と聞かれると、こう答えたという。
「ここが僕の家だ」
そんな野口もニューヨークで知り合ったメリー・ダージスと結婚することで少しは家庭的になったらしい。妻の料理を手伝うこともあり、日本料理のすき焼きを教えたりもした。それでも相変わらず、いつも慌ただしく、食べている途中から顕微鏡を手元に寄せて、細菌をのぞいたりしたという。小学生のほうが、落ち着きがあるのでは……。
アイデアが浮かぶと仕事優先になったベル
電話を発明したスコットランド生まれの科学者アレクサンダー・グラハム・ベルも、働き出すとその手を止めることができなかった。睡眠時間は3~4時間で、そのほかの時間はひたすら仕事に没頭して、妻のメイベルを困らせている。
子どもが生まれるのを機に、メイベルはベルに何とか規則正しい生活を送らせようと涙ぐましい努力をしている。午前8時30分には朝食を食べさせ、午後7時には夕食を取らせたうえで「夕食後の2〜3時間は仕事をしない」というルールを作った。
ベルもそのルールを守ろうとはしたが、アイデアが浮かぶとやはり仕事優先になり、妻を失望させている。夢中になると歯止めが効かないのが、科学者という人種なのかもしれない。
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