知らないで放置すると怖いGAFA製品の「初期設定」 個人的な情報がダダ漏れになっている可能性も
テック系の製品やサービスの使用について重要な教訓を伝えるキャッチーなフレーズがある。悪魔はデフォルト(初期)設定に宿る、というものだ。
このフレーズが警戒を促しているのは、テクノロジー企業が端末やアプリ、ウェブサイトの奥深くに忍ばせているデフォルト設定だ。こうしたデフォルト設定には、利用者の行動や位置情報に関するデータを共有させようとするものが多い。
こうしたデータ収集からはオプトアウトできるのが普通だが、テクノロジー企業はそのためのメニュー画面やボタンを見つけにくくしている。利用者がすぐさま設定をオフにするのを防ぐ狙いだろう。
アップル、グーグル、アマゾン、メタ、マイクロソフトは、一部のデフォルト設定はオンのままにしておくよう利用者に促している。アルゴリズムの学習やバグの発見に役立ち、より使いやすい製品の改良につなげるためとされている。ただ、必要以上のデータ共有は利用者にとってつねにメリットがあるとは限らない。
「性行為中の声を録音」という内部告発
2018年には、アップルのSiri(シリ)やアマゾンのAlexa(アレクサ)がセックス中のカップルの声を意図せず録音しており、その音声を聞いてしまったと複数の内部告発者が認めたことがある。
アメリカでは先日、連邦最高裁が人工妊娠中絶の権利を認める「ロー対ウェイド判決」を覆したが、これにより中絶を考えている女性の行動がガジェットに追跡される問題にも光が当てられるようになった。