「益々のご健闘をお祈りします」という、不合格を告げるお祈りメールが来れば来るほど「不健康」になるという対比が面白い。はやる内定獲得への想いと、思うようにいかない現実のギャップに苦しむ、就活生共通ともいえる悩みを凝縮した作品である。就職なんて縁だと思って、不合格にもくよくよすることなく、あまり気に病まず前を向いてほしい。
佳作をあと4作品紹介しよう。
オンライン面接により、就職活動が日常生活に食い込んだ現代を、印象的で共感性の高い家庭での一コマを表現した作品である。「ご飯どうする?」という問いかけの前に、ドアのノックなど何かしらのサインがあれば、一旦マイクをオフにすることもできるが、多くの家庭ではそのような配慮を日常的にしていないだろう。リビングから大声で呼びかける家族の姿と、面接中に焦る学生の姿が鮮明に目に浮かぶ。
「面接中!」と叫んだ時には、マイクをオフにしたのだろうか? 面接を受ける際には、指向性の高いマイクの付いたヘッドセットの着用をお薦めする。
オンラインならではの対処法
オンライン時代の処世術を自身の体験と重ね合わせて表現したユーモラスな作品である。回線問題が日常になってもう久しいが、時間の経過とともに対処法が発達したり、状況を逆手に取ったアイデアが生まれたりと、時代の変化をよく捉えている。以前、「固まったふりをする」という投稿もあったが、それと比べればまだ良心的な対応といえるかもしれない。
まだ内定が出ず、先行きが見通せない就活期ならではの漠然とした不安を、台風の気象予報と重ね合わせて、今後進むであろう道が見えている台風を「さん」付けでうらやむ気持ちを、率直かつユーモラスに表現した作品である。
予報上は進路の方向がある程度決まっている台風の進路も、ときとして大きくそれることがあるように、作者にも思わぬ進路が開けることがあるかもしれない。まずは前を向いて、活動を続けてみることだ。
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