子なしカップルに、結婚の意義はあるか? 12歳年下と再婚した、45歳美人の新生活

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剛さんとの「何でも気兼ねなく言い合える」関係は、結婚前後でほとんど変わらないと感じている真紀子さん。一方で、剛さんの母親との関係は結婚してから大いに変わった。頻繁に携帯メールが来るようになったのだ。

「『今日は寒いね』とか『久しぶりにデパートに行ってきました』みたいな、たわいもない内容です。実の息子たちにつっけんどんにされるよりは、私のほうが相手をしてくれると思っているのでしょう。私もうれしいです」

子どもだけが、結婚の意義ではない

新たな妊娠出産はほぼあきらめている。流産したときに、医者に今後の妊娠の可能性を聞いたところ、「自然に任せていたら無理。本当に子どもが欲しいなら、1日でも早く体外受精を始めなさい」と言われたのだ。真紀子さんも剛さんも「そこまではできない」と感じている。

「子どもができるあてもないのに結婚する意味があるかな、と思ったこともあります。でも、子どもがいない夫婦も世の中にはたくさんいますよね。何か意味があるはずです。今はまだわかりませんけれど」

真紀子さんの親が剛さんの親を心配し、真紀子さんも感謝をし、剛さんの親は義理の娘となった真紀子さんに甘えている。2人の結婚にはすでに大きな意義があったと僕は思う。

子育て以外に結婚する意味は何か。同棲ではなく家族になるとはどういうことなのか。僕や真紀子さんのような子なし晩婚者だけの課題ではない。今、子育て中の家庭も、いずれは子どもが巣立っていく。やがて夫婦2人に戻るのだ。

晩婚は楽しいけれど、晩離婚は寂しすぎる。子どもの有無にかかわらず、明るく添い遂げられて、周囲も幸せにできるような夫婦関係を模索したい。
 

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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