剛さんとの「何でも気兼ねなく言い合える」関係は、結婚前後でほとんど変わらないと感じている真紀子さん。一方で、剛さんの母親との関係は結婚してから大いに変わった。頻繁に携帯メールが来るようになったのだ。
「『今日は寒いね』とか『久しぶりにデパートに行ってきました』みたいな、たわいもない内容です。実の息子たちにつっけんどんにされるよりは、私のほうが相手をしてくれると思っているのでしょう。私もうれしいです」
子どもだけが、結婚の意義ではない
新たな妊娠出産はほぼあきらめている。流産したときに、医者に今後の妊娠の可能性を聞いたところ、「自然に任せていたら無理。本当に子どもが欲しいなら、1日でも早く体外受精を始めなさい」と言われたのだ。真紀子さんも剛さんも「そこまではできない」と感じている。
「子どもができるあてもないのに結婚する意味があるかな、と思ったこともあります。でも、子どもがいない夫婦も世の中にはたくさんいますよね。何か意味があるはずです。今はまだわかりませんけれど」
真紀子さんの親が剛さんの親を心配し、真紀子さんも感謝をし、剛さんの親は義理の娘となった真紀子さんに甘えている。2人の結婚にはすでに大きな意義があったと僕は思う。
子育て以外に結婚する意味は何か。同棲ではなく家族になるとはどういうことなのか。僕や真紀子さんのような子なし晩婚者だけの課題ではない。今、子育て中の家庭も、いずれは子どもが巣立っていく。やがて夫婦2人に戻るのだ。
晩婚は楽しいけれど、晩離婚は寂しすぎる。子どもの有無にかかわらず、明るく添い遂げられて、周囲も幸せにできるような夫婦関係を模索したい。
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