チャンクとは塊のこと。脳には、一度に覚えられることが4つという容量の限界がありますが、複数の情報をチャンクとしてまとめてしまうことで、限られた容量の中でもたくさんの情報を覚えることができます。
これは、会話のような複雑な対応が迫られる場面での省エネ戦略に使えます。チャンキングは、無意識のうちに行われる脳の活動ですが、これを意識的につくることで、「わからない」状況を減らすと、初対面の人との会話もめんどくさくなくなります。
ビジネス上の会話は、7つのチャンク、塊で構成されています。
② 雑談(small talk):「今年も暑くなりそうですね……」
③ 本題(presentation):「さて、先日お送りした資料をもとに、今日は3つのことを……」
④ 競合(competition):「最近話題になっている○○はどうでしょうか」
⑤ 発展(expansion):「この仕組みは、○○にも応用できそうですね」
⑥ 約束(appointments):「では、来週までに○○して連絡いたします」
⑦ 締めくくり(closing):「それでは引き続き、よろしくお願いいたします」
自分も相手もこのようなチャンクの中で会話をしているので、それぞれのチャンクが長引いたとしても、内容を忘れてしまうとか、疲労することが防がれています。
チャンキングには2つの種類
チャンキングには、2つの種類があります。チャンクをつくって反復して塊を強くするボトムアップ式チャンキングと、そのチャンクがどこで使えるかを把握するトップダウン式チャンキングです。トップダウン式を使って、自分がめんどくさいと感じる場面にチャンクを用意し、ボトムアップ式で定番化する。この過程を意識的に行ってみましょう。
●キーワード チャンク
自分が用意したチャンクに相手の話が当てはまらないときには、脳内がエラー信号のたらいまわし状態になり、無駄にエネルギーを消費します。そこで、相手の話を章立てするようにチャンキングして、使う容量をセーブしましょう。
自分のチャンクに無理に当てはめようとして相手の話を先読みしたり、話を遮ったりするのは避けましょう。遮られた相手の脳が「わからない」状態になると、もう一度説明されてしまいます。あえて相手の順番でチャンキングしたほうが、さらなるめんどくささが生じるのを防げます。
脳は、予測と結果のギャップをできるだけ少なくすることを目指すので、予測から外れる信号に対して注意が高まる仕組みになっています。自分のチャンクにはまらない会話が気になるのは、エラー信号に注意が高まっているという現象です。
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