表示されるシグナルの位置は、一定のパターンがありますが、途中でそのパターンは変更されます。表示される位置が変更されると、一旦「速さ」が遅くなり、徐々に回復します。終盤になると、どのくらいの速さで動けばいいのかという「配分」が重視されます。
この「正確性」「速さ」「配分」を調整しているのは、大脳基底核と小脳です。「速さ」が求められると、次の標的を予測する小脳が働きます。課題終盤になると、タイミングがずらされることが小脳によって学習されているので、ずれに対する準備がされていて極端に遅くならず、作業がうまく配分されます。
タイミングが外されることが前提になっていれば、小脳の機能はより働きやすくなり、疲労度も低下します。
●キーワード パーソナルテンポ
インプットがめんどうの原因は?
業務上、セミナーに参加したり、専門書を読んだりする必要がある方もいるでしょう。インプットがめんどうになってしまう原因は、その行為が身になっている実感を持てないからかもしれません。
このようなときには、ただ「勉強しなきゃ」と詰め込むのではなく、「新たな語彙を取得して使用する」という目的を追加してみましょう。
脳内の記憶を再生するには、その記憶に該当する言語が必要です。語彙が増えれば、再生できる記憶を増やすことができます。
英語や日本語の辞書には、50万語程度の単語が収録されています。そのうち、私たち成人が学習するのは5万語程度、日常的に自由に使いこなせるのは、1万語程度だと言われています。自分が使う言葉が限られるのは、自動化で脳の省エネを図っているからですが、語彙が限られると、アクセスできる記憶も限られてしまいます。
脳内の記憶をもっと有意義に使用していくためには、新しい記憶にアクセスして、普段から使用している記憶との新しい結びつきをつくっていく必要があります。そのためには、語彙を増やすことが有効で、最も簡単にできる方法は、人の真似をすることです。
人の話を聞いているときに、その単語や文の意味をすべて理解していたら、それだけでたくさんのエネルギーが消費されます。脳は、この消費を抑えるために、脳内にある「似た言い回し」に変換して理解しています。脳内にストックした言い回しのパターンが増えるほど、人の話を理解する力が高まります。
そして、その言い回しをアウトプットすることで、自分なりの言い回しに加えることができます。これで、言い回しの丸暗記ではなく、使える言語パターンができ、アクセスできる記憶も増えます。パターンが多ければ、他人の話を変換するためのエネルギーを減らすことができます。
●キーワード メンタル文法
無料会員登録はこちら
ログインはこちら