猛暑乗り切る強い味方「きゅうり」おいしく食す技 初心者も簡単!サラダと酢の物でさわやかに

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ボウルに入れて、しらすやわかめを和えます。

しらすのにおいが気になる場合は酢で洗うといいでしょう

しょうゆ、酢、砂糖を混ぜた三杯酢を準備します。

ちなみに砂糖は時間を置けば溶けます

器に盛り付けた和え物に三杯酢をかければ出来上がりです。

三杯酢をかけるのは食べる直前に!

副菜としてあるとうれしいきゅうりの酢の物。しらすは省略することもできますし、わかめの量を増やしても大丈夫。料理は味の構造さえ守れば、おおらかに考えていいのです。

出来上がり。みょうがやネギなどを加えてもいいでしょう

西洋料理と日本料理のアプローチの違い

先ほどのサラダはきゅうりから水分を抜きすぎず、油(ヨーグルトとオリーブオイル)を使って味付けしました。この素材の味に「塩と油で調理していく」というアプローチは西洋料理の構造です。

一方、きゅうりの和え物はきゅうりに塩を振って水分と風味を抜き、そうしてできた隙間に味を付けていきます。この場合、塩分だけではなく、しょうゆに含まれるうま味成分も足されるので、味わいとしては豊かになります。この素材の味をいったん抜き、そうしてできた隙間に味を含ませていく……というのが日本料理の考え方です。

例えばふろふき大根のような煮物も一度、大根を茹でこぼし、味を抜いたところに出汁の味を含ませていきます。普通はそこにさらにしょうゆやみそなどのうま味を含む発酵食品を組み合わせるので、おいしさが担保されます。この違いはどちらが優れている、優れていないという話ではなく、風土がもたらす文化の差です。

いずれにせよ、きゅうりという同じ食材を使っても、組み立て方を変えれば食卓のバリエーションは広がります。西洋料理的なアプローチと日本的なアプローチ、どのように料理してもきゅうりのさわやかなおいしさは変わりません。

(写真はすべて筆者撮影)

樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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