クラウンを大変身させた豊田社長の強烈な危機感 16代目開発の裏側と第1弾クロスオーバーの全貌

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エクステリアを見るとドライバーズカーに思われがちだが、2850mmのホイールベースと大きなリアドアガラス&ラウンジのようなシートによる後席の居住性の高さもちろん、ゴルフバッグ3個が収納可能なラゲッジスペースなどユーティリティー性能も魅力の1つだ。ちなみにクロスオーバー化は乗降性アップにも大きく寄与している。

パワートレインは全車ハイブリッド×AWDの組み合わせだ。上級モデルはフロントに直4-2.4Lターボ+1モーター+ダイレクト6速AT(トルコンの代わりにクラッチ機構)、リアにeAxle+バイポーラ型ニッケル水素バッテリーを組み合わせた「デュアルブーストハイブリッドシステム」をトヨタ初採用した。

システム出力349psは歴代クラウン最強のパフォーマンスで、パワフルかつレスポンシブ&伸び感のあるリニアな加速が特徴だ。普及モデルにはフロントに直4-2.5L-NA+2モーター、リアにE-FOUR+バイポーラ型ニッケル水素バッテリーを組み合わせた「進化型THSⅡ」を採用。こちらはスムーズな加速&優れた燃費が特徴となっている。

プラットフォームは新開発

プラットフォームは横置きレイアウトからRAV4/ハリアーなどが採用する中型車用(GA-K)がベースだと思われがちだが、実は新型クラウン用に新開発されたもの。もう少し具体的に言うと、フロントがSUV用、リアがセダン用を最低化しながら活用しているそうだ。サスペンションはフロント:ストラット/リア:マルチリンク式の組み合わせだ。

基本素性を高めたうえで、4輪操舵システム(DRS)や車両運動制御システム(VDIM)、ACA(アクティブコーナリングアシスト)といった最新の制御技術、さらにはカローラ累計5000万台記念限定車で話題となった除電スタビライジングシートを組み合わせることで、「意のままの走り」と「リラックスできる乗り心地」を両立。先代はニュルブルクリンクで鍛えた走行性能が話題となったが、新型はそれを軽く超えるレベルなのはもちろん、開発陣は「駆動方式の概念を変える走りを実現できた」と自信を見せる。

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