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「年収200万円で豊かに暮らす」ではマズい理由 2003年には年収300万が低い年収の象徴だった

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200万円でも楽しく暮らす、ならよかった?

先の森永卓郎氏が2020年に出した本のタイトルは『年収200万円でもたのしく暮らせます』だった。今回炎上したように、200万円で豊かではまずいとして、楽しく暮らせればいいのだろうか。

もちろん、お金を使わなくても楽しむことはできるし、愛着のあるモノを手入れしながら長く使うことも美しい。しかし、やはり衣食住が足り、いざという時に頼れる貯蓄がわずかでもなくては、なかなか余裕を持った楽しい心境とはなれない。

手取り年収200万円はリタイアしたシニア世帯ならありかもと思ったが、教育などもあり出費も多い現役世代は苦しいと感じるだろうし、これまであまりに上がってこなかった賃金に対して怒っていい。現役時代の収入は将来の年金に反映されるわけで、収入が少ないと老後の生活にも影響するからだ。

共通ポイント「Ponta」会員へのアンケート調査によると、2022年のボーナスの使い道に貯蓄をあげた人のうち、57.4%がその使い道を「老後への備え」と答えている。同じ答えをした割合は2020年の調査では48.8%だったので、2年で9ポイント近くも増えたことになる。給料が増えると期待できないために、老後に備えて貯めたい人が増えているとなれば、ますます消費はされない。

1800年代の英国の貧しい人々を描いたルポを読んでいると、食品を定価で売るだけでなく、お金がない人には払える金額分だけ売ってくれたとある。ガソリンを1000円分だけ入れてくださいというようなイメージだろう。

肉を200gくださいではなく400円分くださいとか、ビールを100円分くださいとか――そんな店ばかりが並ぶような未来が来るとすれば、あまり楽しくない。値上げされた商品を定価で買えるだけの収入を得られない国にならないことを祈るばかりだ。

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