論理がわかる人とまるでわからない人の決定的差 人間の非合理さを露呈させる簡単な論理学の問題
三段論法の簡単な例で考えて見よう
合理性の根底に何かがあるとすれば、それは論理に違いない。合理的推論の典型といえば、「PならばQである。Pである。ゆえにQである」の三段論法だ。簡単な例で考えてみよう。
【問題】-----------------------
ある国のコインの図柄が、片面はその国の身分の高い王族、もう片面はその国を代表する動物になっているとする。そして「片面が王様なら、もう片面は鳥である」というルールがあるとする。さて、今ここに4枚のコインが置かれていて、それぞれ〈王様〉〈女王様〉〈ヘラジカ〉〈カモ〉の図柄が見えている。ルール違反がないかどうかを確認するには、どのコインを裏返すべきだろうか?
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多くの人は〈王様〉、または〈王様〉と〈カモ〉と答えるが(あなたもそうだろうか?)、正解は〈王様〉と〈ヘラジカ〉である。なぜだろう? まず、〈王様〉を裏返すべきだというのは誰にでもわかる。もしその裏に鳥の図柄がなかったら、問答無用でルール違反なのだから。次に〈女王様〉だが、ほとんどの人はこれを裏返す必要はないと知っている。ルールは「王ならば鳥」であって、女王には言及がない。
次に〈カモ〉だが、多くの人はこれを裏返すべきだと答える。だがよく考えてみるとその必要はない。ルールは「王ならば鳥」であって、「鳥ならば王」ではない。最後は〈ヘラジカ〉だが、これはどうだろうか。もしその裏が〈王様〉だったら、「王ならば鳥」というルールに違反していることになる。ということで〈王様〉と〈ヘラジカ〉が正解である。この問題の平均正解率は10パーセントでしかない。
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