夏に突入し、マスク論争もますます加熱している。感染対策のためだけでなく、ある種の利便性を感じて着用し続ける人も多くいる。
しかしやはり顔の半分を隠し呼吸を妨げられる状態は不自然で不便。その弊害を最も重く感じている存在として、今回は「合唱団」にスポットを当ててみたい。
国民的趣味とも言える「合唱」
合唱は音楽関係の趣味の中でも、楽器を習ったり準備したりする必要がない分、より身近と言えるだろう。学校の部活動や職場、お母さんコーラス、一般のアマチュア団体などが全国に存在し、合唱団をとりまとめる全日本合唱連盟に加盟している団体だけでも約4300団体を数える。加盟せず活動している団体も入れれば数万とも言われる。国民的趣味、と言えば大げさかもしれないが、合唱を楽しむ人はかように多いのである。
しかしながらコロナ禍では、合唱団にとって厳しい日々が続いてきた。
合唱へのコロナの影響について、全日本合唱連盟事務局長の梅田昌和氏は次のように語る。
「2020年の2〜3月から、合唱団の活動はストップした。最初期にクラスターが発生したこともあり、悪いイメージで見られるようになった。『落ち着いたら再開しよう』という合唱団が多かったが、中には活動をやめてしまった団体もあった。
また、感染症に対する考えは個々でさまざまなので、活動に関する意見が対立して、人数が激減したり活動できなくなっているところもある。感染状況の影響を受けて2020年度は当連盟主催の大会はほぼすべて中止になり、2021年度は全日本合唱コンクールは制限を設けながら開催したものの、ほかの大会は中止になった」(全日本合唱連盟の梅田氏)
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