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「日本の合唱」がコロナ禍で直面した経済的苦境 マスクなしの公演に挑戦した合唱団の取り組み

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「歌のレパートリーが違う団体が2つ合わさるとどんな響きになるのか、それが最も楽しみな点。プログラムも面白い。池辺晋一郎氏が東京オペラシティ文化財団のミュージック・ディレクターを務めていることから、東京混声合唱団のために作曲した『東洋民謡集』から、池辺氏自身に選んでもらった2曲を演奏する。また信長貴富氏の『呼び交わす言葉たち』はブラームスの『子守歌』など有名な歌曲が入っていて、それと信長氏作曲による曲の2つが同時進行していくような、とても面白い構成の曲」(キハラ氏)

マスクを外しての演奏会への意気込み

東京混声合唱団が毎回の演奏会で歌う「くちびるに歌を」については、このたび2台ピアノ版に編曲したそうだ。鈴木慎崇氏、津田裕也氏という2人のピアニストの競演もまた見所の1つである。

同団のコンサートマスターを務める松崎ささら氏は、マスクを外しての演奏会への意気込みを次のように語る。

指揮者のキハラ良尚氏、コンサートマスターの松崎ささら氏。文化の異なる2団体が出合うことで生まれる、新たな響きに期待しているそうだ(筆者撮影)

「とにかくみんなと歌える状況を作りたくてマスクをして歌ってきた。でもそれにより、歌い方が変わってきて、マスクを突き抜けるような表現になっている。5月のマスクを外した演奏会では、響きの違いに驚いた。こんなに客席の奥まで声を届けることができるのかと。

またマスクをしているので、体を大きく使った表現をするようになっている。つまりマスクによって編み出された、新しい東京混声合唱団の表現ということもできる。またこのたびは異なる合唱団のメンバー同士がふれあうことで、その場での化学変化が起こることを楽しみにしている」(松崎氏)

村上氏によると、同演奏会では東京オペラシティ文化財団に会場を提供してもらえたほか、企業の協賛を受けることもできたそうだ。東京混声合唱団のさらなる取り組みに、業界内からも熱い期待が寄せられているのだろう。

願わくは、合唱を趣味とする人たちが聴衆として、こうした演奏会に足を運んでくれることを期待したい。自らの表現を豊かにするのにもつながるはずだ。またプロの団体を応援し合唱文化を育てる意識を、歌い手自身がもっと持ってもよいのではないだろうか。

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