「日本の合唱」がコロナ禍で直面した経済的苦境 マスクなしの公演に挑戦した合唱団の取り組み

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東京混声合唱団では、2022年5月8日の主催公演において、コロナ後初めてマスクなしでの公演を行った。この意図について、村上氏は次のように説明する。

5月8日の演奏会ではマスクを外して演奏を行った。写真はMCに合わせ舞台で一斉にマスクを外す様子(写真:東京混声合唱団)

「マスクをしての活動を長らく続け、プロである団員たちはマスクをして声を客席に届ける術を磨いてきた。しかしお客様からは『東混のよさは表情の豊かさなのに、マスクでそれがなくなった』との声を頂いたこともある。いつかはマスクを外さなければと考えてきた。この5月、オミクロン株も落ち着いた機会を捉え、思い切ってマスクなしの公演に挑戦した」(村上氏)

全国のアマチュア合唱団の期待がかかっている

合唱の表現において、顔の表情は重要な要素だ。歌い手が聴衆に伝える表現だけではない。指揮者は指揮棒だけでなく顔も使って表現を伝えるため、マスクをすると十分に演奏意図を伝えられなくなってしまうのだという。

またプロであればマスクの弊害を技術によって乗り越えられるが、アマチュアにとっては難しく、演奏クオリティーの低下は否めない。東京混声合唱団のマスクを外しての活動には、全国のアマチュア合唱団の期待がかかっているのだ。

実際にマスクを外しての演奏会が可能かは、そのときの感染状況のほか主催団体やコンサート会場の意向、また会場の設備にもよるという。古い施設の場合、換気設備が十分でない場合もあるからだそうだ。同団では5月8日に続き、15日の大阪公演においてマスクなしでのコンサートを行っている。

そして3回目として予定しているのが、7月31日に東京オペラシティのコンサートホールで開催される「新国立劇場合唱団×東京混声合唱団 ドリームコンサート」だ。

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