第7波に最適な医療提供体制にする為の政策提言 行動制限課さずにオミクロン株に対応するには

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7月に入り、これまでにない勢いで感染者数が拡大している(写真:Akio Kon/Bloomberg)
オミクロン株のBA.5を中心とする第7波により感染者数が増加している。従来のオミクロン株よりも感染力が強いこと、ワクチンの感染予防効果が減衰していることから、今後感染者数がさらに高まることが予想されている。
この局面で、どのような政策が望まれるのか。
政府の分科会メンバーである大竹文雄・大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授、小林慶一郎・慶応義塾大学経済学部教授の連名による政策提言「第7波対策のあり方」をお届けする。
(提言メンバーは以下の通り)
大竹文雄:大阪大学特任教授
小林慶一郎:慶応大学教授
※提言者は、本提言の内容に個人的に賛同するもので、所属する機関の見解を代表するものではありません

オミクロン株の特性に応じた対策

I. 第7波では行動制限よりも医療提供体制の充実が効果的

感染者数が増えていった場合、医療提供体制は維持できるのだろうか。第6波のように医療提供体制維持のためにまん延防止等重点措置などの行動制限を課す必要があるのだろうか。オミクロン株の特性に応じた対策としては何があるだろうか。

対策は、私たちが何を重視するかという価値観に依存するが、オミクロン株の特性を踏まえ、前提となる情報を整理する。医療提供体制維持と行動制限を考える際に重要なのは、BA.5の感染伝播力の強さ、重症化率の高さ、行動制限による感染拡大抑制効果の大きさである。

重症化率が低くても感染者数が多ければ、重症者数そのものは大きくなる可能性がある。また、行動制限をしても感染拡大抑制効果が小さければ、行動制限による社会経済的損失のほうが大きくなる。重症者数の増加を防ぐには、リスクが高い人の4回目ワクチン接種率を高めることが直接の対策になる。重症者数が確保病床数内に抑えられた場合でも、入院病床数が不足する場合には、入院基準の適正化やコロナ病床の確保をしやすくする工夫が必要となる。以下では、政策オプションと具体的な対策について述べる。

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