竹中平蔵がひろゆきに答える「私が嫌われる理由」 「人の目を気にして生きるのは本当につまらない」
竹中:そう思います。私は2004年の参議院議員選挙に出たときに強く実感しました。選挙に立候補した人の中で、私がいちばん政策のことをわかっていて、日本をいちばんよくできるという自信があったわけ。それでも私に投票してくれる人って数パーセントですよね。数パーセントでも最高得票になったけれど。これが世の中ですよね。みんながみんな私を評価してくれるわけもない。
学者だけやっていたころは褒められることはあれど、そんなに批判はされなかった。でも政府のポジションに就くと必ず批判はされるわけです。かつて小泉総理が大臣の家族を呼んで昼食会をやってくれたときに、ある大臣の奥さんが総理に「自分が最高権力者になったと思うのはどういう瞬間ですか?」と聞いたんです。
面白い質問ですよね。そのとき小泉総理は「そうだな、何をやっても何を言っても批判されるときかな」って答えたそうです。私はたまたま大臣になっただけですが、同じように思います。何を言っても批判される。それなら100人中10人に良いと思われたら、それでいい。
ひろゆき:その通りですね。
「私だって批判されたら嫌な気持ちになりますよ」
竹中:私は若い人と話すときに、1つ自信を持って言えることがあります。それは「人生は意外と短いぞ」ってことです。人生は本当に短い。私も昔はいろいろな会合に出て、常にいちばん若手だって言われたのに、本当に知らない間にいちばん年長になっている。それに周りにいた人の多くは病気になったりしている。
そんな短い人生で、人の目を気にして生きるのは本当につまらない。自分がやりたいことをやったら必ず批判する人はいる。でも信念を持って言い続けたら、必ず支持してくれる人もいる。それでいいじゃないか。短い人生、自分のやりたいようにやればいいじゃないか──そう若い人には伝えたいです。
ひろゆき:でもそうやって批判されるのは、普通の人にとってはかなりキツいことですよね。
竹中:そりゃ私だって批判されたら嫌な気持ちになりますよ。そんなときに、心療内科の名医で環境大臣も務めた鴨下一郎さんに教えてもらったことがあります。「とにかく人に話しなさい」と。
家に帰ったら家族に「今日こんなこと言われたんだよ、誤解なのに、ほんと嫌なやつだ」とか。自分の秘書に「こんなことがあったけど、本当に頭にくるよな」とかを話す。それだけで、ものすごく楽になるんです。当たり前のことかもしれませんが、教えてもらって、すごいことだなと思いました。
たとえメンタルが強い人であっても、自分1人で抱えられるキャパシティって小さいと思います。それを信頼できる人に話すことによって、抱えている半分くらいを共有してもらう。家族だってこちらを心配しているから、そうやって共有すると「話してもらって良かった」と言ってくれました。
前回:ひろゆきが竹中平蔵に聞く経済学者としての実績(7月1日配信)
前々回:ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか(6月24日配信)
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