思い切って挑戦するために必要なベーシックインカム
――このコロナ禍で、多くの若者が経済的に苦しい状況に追いやられています。
宿泊業や飲食業がコロナ禍で決定的な打撃を受けました。そこで働く人たち、とくに非正規雇用の若者や女性に大きな影響が出たのは間違いない。それに対しては短期的政策としての何らかのキャッシュベネフィット、現金給付は必要でしょう。
――昨年秋には、テレビ番組で「ベーシックインカム」に言及して、賛否両論を巻き起こしました。
これはコロナ禍で急に出た話ではなく、私は以前から貧困対策として「負の所得税」、給付付きの税額控除(低所得者に対して減税や現金給付を組み合わせて割り当てる)を提唱しています。
所得税は応能負担で、ある程度の累進課税が必要です。今の制度では所得が低い人は税率ゼロですが、累進性の形を変え、税率をマイナス(現金給付)にしようというのがもともとの考え方。それを個人に対する毎月の現金給付という形でわかりやすくしたのがベーシックインカムです。
これが重要になるのは、今日本は第4次産業革命に直面していて、いろいろな人にチャレンジしてもらわなくてはならない。チャレンジをすれば成功だけではなく、失敗する場合もある。思い切ってチャレンジするためには、失敗しても大丈夫な「究極のセーフティーネット」が必要で、それがベーシックインカムだと思います。
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