竹中平蔵「私が弱者切り捨て論者というのは誤解」 ベーシックインカムは究極のセーフティーネット

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若者の貧困をどう解決すればいいのか、竹中平蔵氏に聞いた(写真:尾形文繁)
日本の格差、貧困を議論するうえで、よく名前が挙がるのが竹中平蔵氏だ。小泉政権下で構造改革を推し進め、2004年の製造業への派遣解禁など、非正規労働者を拡大した政策の旗振り役とされている。
貧困に陥った若者たちの実態に4日連続で迫る特集「見過ごされる若者の貧困」4日目の第1回は、竹中氏自身が若者の貧困をどう捉えているのか、本人を直撃した(1~3日目の記事はこちらからご覧ください)。
【4日目のそのほかの記事
第2回:日本人が知らない「脱成長でも豊かになれる」根拠
第3回:コロナで生活苦しい人に「使ってほしい制度」8つ

思い切って挑戦するために必要なベーシックインカム

――このコロナ禍で、多くの若者が経済的に苦しい状況に追いやられています。

宿泊業や飲食業がコロナ禍で決定的な打撃を受けました。そこで働く人たち、とくに非正規雇用の若者や女性に大きな影響が出たのは間違いない。それに対しては短期的政策としての何らかのキャッシュベネフィット、現金給付は必要でしょう。

――昨年秋には、テレビ番組で「ベーシックインカム」に言及して、賛否両論を巻き起こしました。

この特集の一覧はこちら

これはコロナ禍で急に出た話ではなく、私は以前から貧困対策として「負の所得税」、給付付きの税額控除(低所得者に対して減税や現金給付を組み合わせて割り当てる)を提唱しています。

所得税は応能負担で、ある程度の累進課税が必要です。今の制度では所得が低い人は税率ゼロですが、累進性の形を変え、税率をマイナス(現金給付)にしようというのがもともとの考え方。それを個人に対する毎月の現金給付という形でわかりやすくしたのがベーシックインカムです。

これが重要になるのは、今日本は第4次産業革命に直面していて、いろいろな人にチャレンジしてもらわなくてはならない。チャレンジをすれば成功だけではなく、失敗する場合もある。思い切ってチャレンジするためには、失敗しても大丈夫な「究極のセーフティーネット」が必要で、それがベーシックインカムだと思います。

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