解雇される人の現実をちゃんと知っていますか 理不尽な会社のリストラへの対抗策と心構え

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退職勧奨や解雇などのような紛争に巻き込まれた労働者に対して、労働組合の加入を勧める識者がいます。

労働組合とは「『労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体』、すなわち、労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体」(厚生労働省)です。

会社への交渉力が上がる

労働組合に入れば会社に対して交渉力が格段に上がります。というのも、労働組合法という法律があるからです。労働組合法では、労働組合に対し、使用者との間で「労働協約」を締結する権能を認めるとともに、使用者が労働組合及び労働組合員に対して不利益な取扱いをすることなどを「不当労働行為」として禁止しています。

労働協約は、労働組合と会社との間の約束のことをいい、双方の記名押印等がある書面で作成された場合にその効力が発生します。労働協約で定められた労働条件等に違反する労働契約や就業規則は、その部分が法的に無効とされます。

社内に労働組合がなければ、外部の一般労組に入会するという手もあります。管理職、非管理職、アルバイト、契約社員でも入会できます。入会すると、労組から会社宛に「団体交渉」の申し入れがあります。会社はこれを拒むことはできません。「団体交渉申し入れ書」にはおおむね次のような内容が書かれています。

貴殿の部下、〇〇〇〇氏が当労組に加入しました。つきましては〇〇の件について、団体交渉を申し入れます。なお、本通知を無視されると不当労働行為に該当する可能性がありますのでご注意ください。○月○日〇時までにご回答ください。同じ書面も郵送にてお送りします。

この時点で、会社は無視できなくなります。

ただ、労働組合への加入率は20%を切り相対的に弱くなっています。本来、労働組合には使用者側と対等に交渉を行うバランス感覚が求められますが、いまはそのような人材が不足しています。最近では、会社に目を付けられたくないという理由から役員のなり手がいない労組もあります。

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