解雇される人の現実をちゃんと知っていますか 理不尽な会社のリストラへの対抗策と心構え
筆者は2つあると考えています。
1つ目が「不就労」です。
病気による休職が続いたり、仕事ができない場合のことを不就労といいます。正当な理由なく2週間の無断欠勤を続ければ懲戒解雇の理由になるでしょう。ところが、長期の地方出張や、営業職の直行直帰などを会社が勝手に「不就労」とし、労働者が気づかぬ間に解雇になっていたという驚きのケースがあります。
争いになった場合、上司の出社を促した履歴がないと不利になります。すでに、会社と労働者の関係が悪化しリストラの対象になっていれば上司から「なぜ出社をしないのか!」と問いただすメールが届いているはずです。
情報漏洩のリスク軽減のため、持ち出し用以外の端末は、社外への持ち出しを禁止する会社が増えました。このような会社であれば、上司の「なぜ出社をしないのか!」メールを出社しない限り確認することができません。これが履歴としての証拠になります。労働者が見ていようが見ていまいが構わないのです。単なるアリバイづくりです。
関係性が悪化すると、会社への連絡が途絶えがちになりますが、自らのリスク回避のためにも会社への連絡は必須です。上司には必ず業務報告をする必要があるからです。
無理筋な業務命令が課されることも
2つ目が「業務命令違反」です。
会社において労働者は上司の業務指示に従わなければなりません。指示命令系統があり、社員はそれにのっとった行動が求められるからです。
新規開拓営業担当の役割を与えられたケースを考えてみましょう。もし部下を解雇に追い込みたい場合、上司は詳細な行動管理を行うはずです。それこそ分単位の日報で記入に何時間もかかるような営業フォーマットを用意するでしょう。
たとえば、そのときに考えられる上司の業務指示は次のようなものです。
部下:営業経験がありません。また営業先をどのように見つければいいのですか?
上司:簡単だよ、オフィスビルの最上階からドンドン飛び込み営業をして順番に階を下がりながら開拓してくればいい。
意外とこのような話は多いのです。拒否すれば「業務命令違反」だとちらつかせるのです。言われた部下に不手際がなかったとしても、このような状態に追い込まれてしまったら、会社と交渉するにはかなりの労力が必要です。一般的には早めに次の仕事を見つけたほうが結果的によい場合も少なくないのです。
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