広末涼子、41歳「年を重ねることは、案外悪くない」 彼女が「自分は自分」と思えるようになるまで
でも、そのときの母の言葉がずっと忘れられなくて。出産のときも、「数年現場を離れて戻れないんだったら、私はその程度だったんだ」と納得できた。それに、もしダメだったらそこからまた努力して、自分で道を切り開けばいい。そうシンプルに考えられたんです。
その後、2年の産休を経て復帰。大好きな俳優のお仕事にまた新しい気持ちで取り組めるようになりました。それでも、本当の自分とのギャップはなかなか埋められなくて、もどかしい思いをしたことを覚えています。
当時は、「家庭のことは話さない」という事務所の方針がありました。私のお芝居を観ている人に先入観を与えず、フラットに作品を楽しんでもらうためには大事なことだったとは思います。
ただ、育児真っ最中の私にとって、トークの話題なんて子どものことくらいしかないんです(笑)。だから、取材の場でも何を話していいかわからなくて……。本当の自分を隠しているような葛藤がありました。
年齢を重ねることで自分らしさが出せるようになった
何も気にせず自分らしさを出していけるようになったのって、ごく最近なんです。今は子どもの話もオープンにできるようになりましたし。
この春から成人が18歳になったので、うちの長男も成人になりました。大人になったなと感慨深かったんですけど、その分自分も大人になったということ。この間、取材で「芸歴28年の広末涼子さんですが」と言われて「芸歴28年!?」って自分でもびっくりしました(笑)。
でもこうやって年を重ねることは、案外悪くないものです。40代になって、もう「広末涼子」が世の中でどう見られているのかも全然気にならなくなりました。今の若い人たちは過去の私を知らないですし(笑)。
あんまり図々しくならないようにしようと気を付けつつ、気負いがなくなった分、「自分は自分」と思えるようになりました。
若いころは、私にも凝り固まった理想像があったんですよ。俳優はこうあるべき、みたいな。もちろん目標や理想があることは良いことだけど、それを信じ込みすぎて、自分を見失ってしまっては元も子もないですよね。