特集「『非正規化』する教師」の第2回は、非正規教員が増える原因に迫る。
およそ5~6人に1人が非正規教の教師――。この数を聞いた30代以上の人たちの多くは、「自分が子どもだった頃は、そんなに多くの非正規教員がいたように思わない」との印象を抱くだろう。
文部科学省が今年1月に公表した「『教師不足』に関する実態調査」によると、全国の公立学校における非正規教員の割合は17.82%であった(注)。10~20年前と比べて、公立学校の非正規率はどのように推移してきたのだろうか。
文部科学省は長年、教員の非正規率を公表してこなかった。データ自体は、教育委員会を対象に毎年度実施している「教職員実数調」からはじき出せる。しかし、数値の算出・公表はしてこなかったのである。この理由について、関係者の中には「非正規率の上昇という不都合な事実を認めたくないからだ」と指摘する人もいる。
非正規率は20%を超える勢い
この文科省が教育委員会に対して実施している「教職員実数調」は、開示請求をすれば入手できる。このデータを入手して集計し、教員の非正規率の推移を算出しているのが、元教員や学校事務職員などで構成される「ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会」(調べる会)だ。
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