個人投資家には調整局面のときこそ「仕込み場」 『会社四季報』で弱気企業の強気転換を先回り
原料価格などのほかに、社会環境の変化が業績の上方修正につながり、株価が大化けするケースもある。
例えば中古オートバイの買い取り販売最大手、バイク王&カンパニー。コロナ禍で「3密」を避ける手段としてオートバイの人気が上がった。若者や女性の間で2輪免許を取得しようという人が増えたほか、熟年ライダーの大型車購入意欲も高まった。
こうした変化を受けバイク王が昨年6月末に上方修正を発表すると、株価は急上昇した。その後一服しているが、今年3月末にも上方修正。増配も続いており、株式市場で再び注目される可能性はある。
株価は、業績の影響を受けるが、需給や人気はそれ以上に影響を与える。株価水準が割安か割高かを判断する代表的指標にPER(株価収益率)がある。しかし、PERが低い株を買って儲かることはまずない。
誤解を生む原因は「PER=株価÷1株利益」という計算式にある。投資家にとって重要なのは株価が上がるのか下がるのかということ。つまり主語はあくまで「株価」でなければならない。であるなら、本質を表しているのは、この式を変形した「株価=PER×1株利益」という式になる。
この式を見れば、PERか1株利益が増えれば株価が上昇することがわかる。両方上がればベストだ。
市場での「期待度」が高まることも重要
しかし、1株利益はわかるとして、ではPERはどうすれば高まるのか。
PERは株価が1株利益の何倍まで買われているかを示している。言い換えれば、PERは市場での人気度合いや期待度を表している。
期待度が高まればPERは上昇する。画期的新技術を開発した会社や、「政策株に売りなし」の相場格言にあるように、たとえば今なら再生エネルギーといった材料性を豊富に持った銘柄は、業績は一定でもPERが上昇することによって株価が上がる。
足元ではコロナ禍からの経済正常化で訪日外国人客が回復したり、在宅勤務が当たり前になったりと社会が大きく変化している。こうした変化を感じ取り、市場での期待が高まりそうな銘柄を仕込もう。
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