実はメロン全国1位、茨城で聞いた「最高の食べ方」 生産者泣かせ「イバラキング」にも挑む達人たち

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最高においしいメロンと出合う方法

常磐線石岡駅から鹿島灘に向かっては、緩やかな起伏が繰り返し続く畑作地帯。しばらく東に向かうと、地面を覆うようにかまぼこ状のビニールハウスが連なる一帯を走ることになる。

出迎えてくれたのは、JAほこたメロン部会部会長の長峰広さんとメロン部部長の鷺沼秀樹さん。

JAほこた営農情報センター近くのメロン用ビニールハウス(写真:筆者撮影)
写真左より鷺沼さん、長峰さん(写真:筆者撮影)

長峰さんは長さ平均60メートルのハウス33棟で、鷺沼さんはほぼ同じ長さのハウス60棟でメロンを栽培している。ハウスの中を行って帰って、全部を見て回るだけでも、それぞれ4キロと7キロを歩くことになる。なおJAほこた管内で春メロンを栽培している生産者は約160戸、総出荷量は78万ケースを誇る。

そんな鉾田ならではの風景の中、おいしいメロンに出合う方法を聞いてみると

「まずは自分の好みのメロンの味を知ってもらうことです。品種によっては、喉がヘンな感じになるっていう人の話も聞きますから。いろいろ食べ比べて好きな品種を覚えてもらえれば、いつでもおいしいメロンを買えるようになります」(長峰さん)

「あとは食べごろの基準。食感の好みの差は大きい。硬めが好きな人にとっては採ってすぐが食べ頃だし、柔らかめが好きな人だとしばらく置いてから食べないとアレっとなります。基本的にはベストなタイミングは、おしりを押してちょっと弾力があるぐらいです」(鷺沼さん)

そう教えてくれる2人。よくある勘違いについても指摘してくれる。

「メロンは追熟しても糖度が上がることはないんです。だから甘さに関しては硬くても柔らくても、いつ食べても一緒。自分好みの食感のときに食べれば間違いないです。ただ収穫したてだと皮の縁の方はまだ硬くて、食べられない部分が多くなっちゃいますが」(鷺沼さん)

メロンの熟れすぎた味が苦手な人も結構いて、食べごろを逃さないのもコツという。

メロンは冷蔵庫には入れずに常温で追熟させるのがよいそうだが、熟させすぎると発酵が始まってしまう。通常、収穫してから5日間ぐらいが食べごろ。となると、買ったり貰ったりしたら、迷わずすぐに食べるのが正解といえそうだ。

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