NYで開眼!栃木で「竹の農場」盛り上げる男の発想 IBMの中庭を見たことが家業の再興に繋がった
かぐや姫の物語で象徴的に登場する竹(タケ)。日本人が親近感を覚える植物のひとつだ。
私たちがもっともよく目にする大型のタケは、モウソウチクという。地上部は20メートルに達し、ビル7階もの高さとなる。壮観だが、いい面だけではない。周囲をその高さで囲まれてしまえば、広葉樹も針葉樹も日光が届かず、枯れてしまうのだ。
「竹害」となり、ときに日本人に牙をむく竹だが…
さらに、モウソウチクは斜面では雑草のように薄く地下茎を伸ばす性質を持つ。樹木ほど根を深く伸ばせないため、土砂災害の危険性を高めてしまう。過疎化の進行にともなって近年、里山における竹の管理が追いつかず、竹やぶ化が進行。竹害(ちくがい)と呼ばれる社会問題にもなっている。
いつの間にか嫌われ者になりつつあるタケだが、新たな可能性を切り開こうと奮闘する人たちもいる。
栃木県宇都宮市北部にある竹の農場、若竹の杜 若山農場がそれだ。江戸時代初期から続く若山農場。一般にはシーズン外れのゴールデンウィークでもタケノコを出荷できる業者として、また造園用の苗木を生産する業者として、知る人ぞ知る存在だ。
その竹林は、ロケ地としてもよく使われている。映画『るろうに剣心 伝説の最期編』、『キングダム KINGDOM』では重要なシーンが、椎名林檎「いろはにほへと」のプロモーションビデオでは全編が、若山農場の竹林で撮影されたほど。
5年前より竹林を一般公開している若山農場を訪問し、タケについて考えてみた。
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