毎週完売する「幻のチーズケーキ」誕生の裏側 温暖化につながる牛の放牧は「悪」なのか?
「CHEESE WONDER」というお菓子を知っているだろうか? “発明的チーズケーキ”と題され、オンライン上で購入できるこのスイーツに、熱視線が注がれている。
“毎週完売”のチーズケーキ
原材料に限りがあるため、毎週金曜・土曜の20時から限定発売(1箱6個入り/毎回の販売数は非公開)にもかかわらず、毎回“完売”は当たり前。販売が開始された2月18日の初日にいたっては、アクセスが殺到しサーバーがダウン。一日に最高で約3000名が販売開始前後にアクセスするなど、さながら争奪戦の様相を呈しているのだ。
なぜ、これほどまでに話題を集めているのか? 仕掛け人は、お菓子のスタートアップとして知られるBAKEを創業した長沼真太郎氏。これまでにも「BAKE CHEESE TART」、「PRESS BUTTER SAND」など数々のヒット商品を手がけてきたお菓子業界の風雲児だ。
その長沼氏が、徹底的に原材料にこだわりたい――との思いから、昨年11月、自社で放牧酪農を運営するため北海道日高町にユートピアアグリカルチャーを設立。こだわりが詰まった自社牧場のミルクと自社の養鶏所の卵を使用し、満を持して世に送り出したのが「CHEESE WONDER」である。
生チーズムースとチーズスフレの2層構造、挟み焼きのサクサククッキー、全解凍・半解凍・冷凍で濃厚さや舌触りが変わる食べ方のバリエーションの豊かさなどなど、美味しさについて説明したいところだが、いまなお注文が殺到するという状況を見てもわかるように、クオリティは折り紙付き。あらためて食レポをする必要はないだろう。
むしろ、このチーズケーキ。味もさることながら、その背景にこそ語られるべき美味しさのヒミツが隠されている。先述した通り、ユートピアアグリカルチャーは、自社で放牧酪農を運営する。そのうえで、「地球環境に配慮した放牧を展開しています」と同社の代表取締役・長沼氏は説明する。どういうことか?
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