日本の野菜がこんなにも「甘くなった」意外な事情 トマトもジャガイモも高糖度になっていないか
テレビの情報番組で、人気タレントが生産者を訪ねる場面は多い。畑で野菜にかぶりついたとたん、「あまーい! これ、果物じゃないですか?」と感激したり、糖度計を取り出し、一般的な同じ野菜より甘いことが証明されたり。トマト、ナス、ジャガイモ、タマネギ、カブなどが、こうしたパターンで紹介されてきた。
スーパーの野菜売り場、農産物直売所などでもいまや糖度表示をしているところもある。ニンジンやトマトのポップに糖度の高さをアピールする文章がついているのも見かける。なぜ、そして、いつから糖度の高い野菜が増えてきたのだろうか? 調べてみると、消費者の嗜好変化にとどまらない、意外な事実が浮かび上がってきた。
人気沸騰する「高糖度トマト」
浜松市の農業ベンチャー、ハッピークオリティが開発した中玉トマト「ハピトマ」は、平均糖度8の甘さで前期は2億円を売り上げた。スーパーに並ぶ一般的なトマトは、4~6程度だ。「今は200トンしか供給できていないのですが、2000トン以上の注文があります。2年半後をメドに2000トンを供給する予定です」と同社の宮地誠社長は自信を見せる。
「誰にでもできる農業」を掲げる同社は、独自の栽培システムを農家に提供。誰でも安定的に高糖度のトマトを栽培し、それをハッピークオリティが通常の2~2.5倍の価格で全量買い取り、生産者が安定的に高収益を上げられることを目指している。
ハピトマの糖度が高い理由は、品種と栽培方法にある。まず、フルティカという糖度が高いタキイ種苗の一般的な品種を選んだ。誰でも栽培できるように年4回回転できるマニュアルを作成。畑の条件を揃えるためにハウスでの水耕栽培とし、水やりはAI技術で制御する。
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