タブ:すごいキャリアですね。帰国のタイミングはご主人の転勤ですか。
えみ:はい。戻ってきたら2人とも35歳を超えていたので、いいかげん子どものことを考えようと思って、大きなプレッシャーを感じずにできる仕事を探しました。
タブ:それが役員秘書だったんですね。具体的にはどういうお仕事を?
えみ:出張手配などの細かい仕事から資料作りまでいろいろやりました。分厚い白書の要点をまとめたり、会議資料を作ったり。
タブ:お仕事は楽しかったですか。
えみ:はい、とても。私、ルーティンワークが好きなんです。同じことずっとやれといわれても苦になりません。
タブ:へえ! ルーティンワークの魅力って何ですか。
えみ:うーん、自分の中で「今日はちょっと早くできた」とかカイゼンできるところかなあ。ちょっとしたカイゼンでも意外と喜んでもらえるんですよね。資料をちょっと見やすくしたとか、マニュアルを作り直したとか。
ごちゃごちゃしているものを整理するのが好き
タブ:そういう業務改善的なことは、ロンドン時代、システム企画に携わっていた頃に身に付いたんでしょうか。
えみ:そうかもしれません。ロンドンでも、イギリス人が作ったわかりにくいマニュアルを勝手に整理して作り直したりしていました。それが楽しかったです。
タブ:マニュアルですか。プロセスフローとかを作って整理したんですか。
えみ:そうですね。きっと私、ごちゃごちゃしているものを整理するのが好きなんです。最初の銀行での仕事は、交渉して獲得するという仕事だったので、そういう要素がなかったなあ。だから嫌だったのかなあ。
タブ:“不確実性”みたいなことに対応するのはあまり好きではないんですかね。
えみ:そうですね。今、毎日同じ家事をしていますが、それもまったく嫌いじゃありません。昨日より早くできたとか、この収納出しやすくなったとか――
タブ:カイゼンするんですね!
えみ:そう。だからいちばん苦手な家事は料理です。手をかけず効率重視でやってしまうので。
タブ:なるほど。
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