・両親が子どもの将来を心配することが減り、子どもが大学進学、就職、自立などのマイルストーンを達成するという信頼が強い(またはそうなった)。
・家族が向き合い、あるいは一体となって充実した時間を過ごすようになり、会話が増える。
・子どもが、「親が一緒にいてくれない」「親がいつもパソコンを使っている」「親がいつもスマホをいじっている」と不満を言うことが少なくなる。
・親自身のストレスが減り、過労やほかの活動によって家族の時間を「避ける」ことが少なくなる。
・子育てのスタイルが違っても、両親は互いに上手にコミュニケーションをとるようになる。
・家族が互いをばかにしたり、おとしめたりすることが少なくなる。
・子どもは、何か心配なことがあったり、何か悪いことがあったりすると、親に伝えるようになる(SNSで問題を発信することが減る)。
・「親は自分が何をしているか知らない」「親は自分をコントロールできない」と子どもが感じることが少なくなる。
・親が子どもの周りを「びくびくしながら」歩かなくなり、子どもを叱ることを恐れず、子どもに「ノー」と言うことを恐れない。
・子どもはお金の仕組みを理解するようになり、親は行動に関係なくお金を与えたり、「必要なとき」に与えたりするのではなく、お金やお小遣いを「稼ぐ」意識を持たせやすくなる。
・兄弟姉妹が互いの健康に気を配り、互いの内面的な感情を理解して、同調するようになる。
ここに書いたようなポジティブな家族のあり方を、単にスクリーンの習慣のせいにするのは大げさに思えるかもしれないが、複数の研究データが、こういった見立てを裏付けている。
親子間の関わり合いに悪影響も
テレビやインターネットの利用に関する研究では、スクリーンタイムの長さが親子間の関わり合いに悪影響を及ぼすことが示されている。
また、ロールプレイを重視したゲームをすると、病的な愛着スタイルを身につけやすくなることがわかっている。
ほかにも、夕食時にテレビを見ないと家族の会話が増えることや、普段からスクリーンを見ずに一緒に夕食をとっている家族の子どもは、成績がよく、自尊心が高く、トラブルに巻き込まれる可能性が低いことがわかっている。
こういった研究データと、これまで述べてきたようなスクリーンタイムが感情の制御や思いやりや衝動のコントロールに影響を与えるということを合わせて考えると、「スクリーンから解放された家庭は、はるかに健康的に機能する」と理解するのは難しくないだろう。
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Victoria L.Dunckley
特に小児対象の統合的な精神医学の実践で定評があり、過去10 年間で、通常の治療法で効果が見られなかった子どもたち数百人を救っている。デジタルスクリーン、環境要因、食事療法、投薬が行動に及ぼす影響の研究で受賞歴多数。特にデジタルスクリーンについては、100を超える文献・論文をもとにまとめ米国ベストセラーとなった本書で、子どもの気分・睡眠・認知・行動の問題を引き起こし、小児性肥満症の要因になっていると述べている。メンタルヘルス専門家として、NBC『トゥデイ』『ナイトリー・ニュース』などにも出演。
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