30年で子どものIQが「3歳分」も低下した背景事情 スクリーンから離れると脳はどんどん成長する

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川を上手に渡っている(=メンタルが健康な)人は、脳が統合されており、シーゲル博士が頭文字で表現する「FACES(柔軟性、適応性、好奇心、エネルギー、安定性)」の特徴を持っていると考えられる。

私も、子どもには硬直ではなく「柔軟性」を求めたい。ストレスや変化、課題に直面したときに適応できること、自分を取り巻く世界や自分と他人について好奇心を持つこと、枯渇することなくエネルギッシュで、安定して自己統制がとれ、制御不能ではないことを。

子どもの脳を最適に統合する5つの条件

子どもの脳を最適に統合するための条件は、次の5つがある。

①慢性的なストレスを避ける
②十分な休息時間
③親子の触れ合い
④刺激を与える時期と量
⑤体を動かすこと

これらの要素の多くは、「右脳の機能」に関連している。右脳はよりホリスティックな(つながり・統合に関わる)面を持ち、右脳への刺激は心理的にも生物学的にも私たちを癒してくれるのだ。絆、運動、創造性、感情、抽象的な思考などは、すべて右脳を刺激し、前頭葉を含む脳全体の統合や、脳と身体をつなぐ助けにもなる。

一方、左脳は、文字や情報を好む。たとえば、本稿で紹介するエピソードを読むと、右脳がすべてを受け入れて理解し、ドーパミンやメラトニンについて読むと、左脳がその詳細を記憶する。

一般的に、スクリーンタイムは情報が詰まっているため左脳を刺激しすぎる一方で、右脳への刺激が弱い傾向があり、システム全体が断片化され連携が弱くなる。神経系の調節が効かなくなってきたら、右脳の活動を重視して軌道修正する必要があるのだ。

私たちは皆、「完全である」とはどういうことなのかが、直感的に「わかって」いる。言葉にもそれが反映されていて、自我や精神が「統合されている」人のことを「まとまっている」「回復力がある」「把握できている」などと表現するものだ。

自我がバラバラになりやすい人の場合は、「心がもろい」「ストレスに耐えられない」「精神的にボロボロ」などと表現する。子どもの心が「整理されている」と、学校の準備などの日常生活もスムーズに行える。そういった子どもは「きちんとしている」のに対し、整理できない子どもは、「まとまりがない」のだ。

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