30年で子どものIQが「3歳分」も低下した背景事情 スクリーンから離れると脳はどんどん成長する
臨床的にも「一体性」は大切なキーワードだ。精神や自我が強く、かつ柔軟であればストレスに耐えられるが、弱い場合は「断片化」する。左右の大脳半球と体の感覚運動システムがうまく統合されていれば、子どもはたやすく学べ、新しい刺激的な環境で成長し、同期した運動をすることができる。
しかし、感覚統合機能に障害を持つ子どもは、過剰な刺激を受けて混乱しやすく、効率の悪い動きをし、気分が不安定になる。
スクリーンタイムから開放された脳に起こること
実は、私たちの体には、「直感的にわかる部分」がある。統合と同期は、細胞から神経系、精神に至るまで、あらゆるレベルで起こるからだ。
細胞レベルでは、サーカディアン(体内時計)細胞が自然と同調していると、生体の「すべての細胞」が同調しやすくなり、ホルモンや臓器の機能もそれに追随する。同じように、ストレスホルモンが少ないと、心臓の電気的なリズムが整い、脳のリズムも整うようになる。
心身全体の問題として考えると、孤立した状態では何も生まれず、あらゆるレベルで統合することで、悪循環ではなく好循環を生み出すことができる。
つまり、脳がスクリーンタイムのストレスから解放されて、休息し、若返り、リセットされると、システム全体が整理され、統合され、機能するようになる。
スクリーンの使用を十分に制限していれば、私たちのシステムは同じ方向に向かって進み、バランスよく「川の真ん中」を流れることが多くなるのだ。
子どもが苦しむと、家族全員に悪影響がおよぶ。子どもが元気になれば、家族全員のストレスが減る。当然ながら、親が自分のスクリーンタイムに気を配るようになることで、家族の交流にも「よい影響」が出る。
そういった家族に見られる「よい傾向」について、次にリストにした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら