「上司にしたくない人」ほど出世しがちな残念理由 周囲を惑わす「独断専行、実務は丸投げ」のワケ
さて、ここまで読んで、あなたはどう感じたでしょうか。
「悪ガキ」タイプに共感し、脳内の音叉が共鳴したとしたら、あなたは悪ガキタイプのリーダーとしての資質を備えている可能性が高いです。ぜひその資質に磨きをかけ、組織を引っ張るリーダーを目指してください。
女性の読者も例外ではありません。私の経験から言っても、女性の「悪ガキ的リーダー」は決して少なくありません。メンツやタテマエにこだわることなく「本音トーク」でチームを引っ張っていく女性リーダーは、組織にとって非常に貴重な存在です。
日本には「出る杭は打たれる」ということわざがあります。強く自己主張をしたり、目立つ行動をとることをよしとしない風潮がいまだに残っている組織が少なくありません。しかし、そんな風潮こそ時代遅れなので、遠慮する必要はまったくありません。
一方、自分はまったく「悪ガキ」的要素を備えていないと思った人も、落胆する必要はありません。
そもそも、組織の構成員が全員悪ガキタイプだとしたら、それはそれで大変です。全体としてのまとまりがつかず、カオスに陥るでしょう。
実際のところ、組織の中で悪ガキタイプのプラス効果が、マイナス効果を上回るのは、悪ガキタイプが少なすぎずもせず、多すぎもしないときです。悪ガキタイプの割合は、せいぜい20%が限界のように感じます。
「悪ガキ」的な素養が欠けていたとしても、これまでそれぞれの会社で活躍してこられたということは、業務をキチンと遂行したり、周りと協調するという、素晴らしい能力を備えているはずです。このタイプの人は、そういう能力を生かして、悪ガキ的リーダーをフォローする側に回るべきです。
悪ガキ的リーダーが想像以上に「のさばってくる」未来
ただし、ここで注意してほしいことが1つあります。それは、無理して悪ガキタイプになる必要はないものの、悪ガキタイプの思考パターンや行動特性は理解しておく必要がある、ということです。
なぜなら、これから訪れる「さらなる激変の時代」では、悪ガキタイプが想像以上に「のさばってくる」からです。ある日突然、悪ガキタイプのリーダーが上司になったり、M&Aでトップ全員が悪ガキタイプに入れ替わったりすることも珍しくなくなるでしょう。
そういう事態が起きても慌てないように、悪ガキタイプのリーダーの思考・行動パターンを理解しておくことは極めて重要です。そうすることによって、彼らを上手にフォローし、彼らの能力をさらに引き出すことが可能になります。
つまり、自らを「悪ガキ」タイプだと思うあなたにとっても、そうでないあなたにとっても、「悪ガキ」の特性を理解することは、この激変の時代を生き抜くために不可欠なのです。
なお、改めて言うまでもないとは思いますが、「悪ガキ風」にふるまえば、それだけで仕事ができるようになるわけでありません。あくまでも、近年結果を出しているリーダーが「悪ガキ」的な傾向を持っているということです。この点については、誤解をしないようにしてください。
(構成:小関敦之)
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