「上司にしたくない人」ほど出世しがちな残念理由 周囲を惑わす「独断専行、実務は丸投げ」のワケ

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こういう「悪ガキ」タイプのリーダー像を説明すると、「このタイプの人は自分の周りにもいる。振り回されるだけだから、このタイプの人の下で働くなんて、まっぴらごめんだ」と拒絶反応を示す人が多いのが日本の実情です。

その反応は、至極まっとうです。実際、私も同じ感覚を覚えます。こういったタイプは、日本では典型的な「上司にしたくない人」だと言えるでしょう。

しかし、実際問題としてビジネスの世界で結果を出し、ヘッドハンティングの対象としてクライアントがほしがるのは、こういった「悪ガキ」タイプのリーダーなのです。これは厳然たる事実として認めなければなりません。

悪ガキの人気が高いことを知らないのは日本人だけ

先ほども述べたように、私はこのたび、『世界は悪ガキを求めている』という本を上梓いたしました。

私がこの本を書こうと考えたきっかけは、「求められる人材像」が以前とは大きく変わってしまい、世界の国々では常識になりつつあるのにもかかわらず、日本人のほとんどはこの激変に気がついていないからです。

この状況を放置すると、日本の数少ない資産である優秀な人材の活用が進まず、結果としてただでさえ低下しつつある日本の国力が、ますます他国から引き離されてしまいかねません。

なぜなら、せっかく「悪ガキ」タイプのリーダーとしての資質を備えた人材も、同調圧力が強い日本企業のなかでは、自分を殺してしまいかねないからです。自分を殺せなかった人は組織のなかで脇に追いやられ、中枢には残れないでしょう。

さて、ではなぜ求められるリーダー像にこのような大きな変化が生まれたのでしょうか。その理由は、現在社会がまったく先の見通せない「激変の時代」になったからに他なりません。

このように書くと、「またか、次はダーウィンの進化論の話を持ち出し、現況に当てはめ、適応できないものは滅びるというのだろう。そんな話はもう聞き飽きた!」と拒絶されてしまうかもしれません。しかし、それを承知の上で、世界が未曽有の変化の時代に突入しており、これまでの常識すべてに疑いの目を向けなくてはいけないということは強調しておかざるを得ません。

「激変の時代」においては、周囲の目を気にしたり、従来のやり方にとらわれたりするリーダーでは、とても変化の速度に対応できません。つねに変化を先取りし、強烈なパッションに基づいて素早く決断し、行動する。そういった、ある意味での「空気の読めなさ」が、これからのリーダーには必要不可欠なのです。

もちろん、「優等生」タイプが絶対にこういった素質をもっていない、というわけではありません。双方を兼ね備えているスーパーマンも、わずかながら存在します。

しかし、その数は、需要に比べて圧倒的に少ない。どちらかしか持っていないのなら、「悪ガキ」タイプを選ぶ。組織に軋轢を生じさせるかもしれないが、それには目をつぶる。それが、世界の選択なのです。

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