東大生作家、西岡壱誠氏が語る「大学受験」のコツ 科目横断的視点がなければ受験に対応できない

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──受験勉強で重要なポイントは。

3つある。1つ目は語彙力。漢字力と言い換えてもいい。

『ドラゴン桜』に出てきた話だが、「推断」という言葉を見たことがない人は多いだろう。ただ、漢字力があれば「推測して断定するんでしょ」と類推で解ける。英単語を丸暗記したけど成績が伸びないという子も、漢字力の問題であることが多い。「Suggest」の意味を「示唆する」と覚えてはいるが、「じゃあ示唆するって何?」と聞いてわからない子がいる。

灘中学の入試問題で通称「和同開珎」という問題が出る。上下左右に置かれた漢字と組み合わせて熟語になるように、真ん中の四角に入る漢字を考えるものだ。こうした問題が解けるようになると伸びる。漢検2級レベルがわかれば大丈夫だろう。

勉強と世の中の出来事を関連づけよ

2つ目は読解力。文章には必ずテーマがある。魚を例えにすると、筆者がいちばん伝えたいことは「骨」で身が「例や根拠」。

身と骨を切り分けて、頭から尾っぽまで骨をきれいに取り出せるようになれば、読解は完璧。身、つまり具体例ばかりに気をとられると、筆者が言いたいことがわからなくなる。読解力の訓練のためには、あまり難しくない新書やベストセラーの本を読むことだ。売れている本はわかりやすいことが多い。

3つ目は、勉強している事柄と世の中のことを関連づけて考えられる力。東大の入試問題で、「台湾人に人気の日本の観光地は、京都・奈良以外でどこだと考えられるか」という内容があった。「台湾は雪が降らず、面積も小さい。雪が多くて、広大な北海道が人気」などが回答になる。

なぜ勉強するかと言えば、それは世の中のことがわかるようになるため。知らない概念に出合ったときにも、知識や教養という武器があれば攻略しやすくなる。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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