日常英語「ネイティブ的」VS「文法的」使い方のコツ 「I’m doing great!」の微妙なニュアンス

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[通常の副詞] You speak English pretty well.(英語、お上手ですね)
[単純形副詞] You speak English pretty good.(英語、上手だね)

well(うまく)は-lyのつく副詞ではありませんが、good(うまい)を単純形副詞として使うことがあります。例文にあるように、本来はspeak English pretty wellと言うところをspeak English pretty goodと言ったり、How are you?(調子はどうですか)という問いに、I’m doing well.と言う代わりにI’m doing good.(元気だよ)と答えたりすることができます。I’m doing good.と同様に

[単純形副詞] I’m doing great.(すごく元気だよ)
I’m doing greatly.

とgreatを副詞として使うこともできます。このgreatですが、greatlyという副詞にすると「おおいに」という異なる意味の副詞になってしまうので、これは副詞を置き換えたのではなく、形容詞をそのまま単純形副詞としているケースと考えられます。

単純形副詞には、主語の状態を表すニュアンスがある?

では実際に、単純形副詞を使ったときと使わないときでニュアンスの違いはあるのでしょうか。これについては、『表現のための実践ロイヤル英文法(綿貫、ピーターセン, 2011, §212 D: Helpful Hint 106)』に説明がありました。基本的には「どちらもほぼ同じ意味である」としたうえで、以下のような違いを挙げています。

The sun shines bright.のbrightには、The sun shines. It is bright.

(太陽は輝く。明るいものだ)のように「補語的」な感じが幾分かある。つまり、太陽の輝き方自体というより、太陽の状態を示している感じである。

単純形副詞を使用した場合は、「主語の状態」を表しているニュアンスが含まれるそうです。太陽が「輝く」ということと、太陽が「明るい」ということを同時に伝えているようなニュアンスになるということですね。「太陽は輝く、しかも明るい」という感じです。解説はさらに続きます。

これに対して、The sun shines brightly.のbrightlyは、純然たる副詞として使われ、太陽の状態というより、その輝き方自体を示している感じが幾分か強い。
次ページ-lyのつく通常の副詞のほうは…
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