(drive slowとdrive slowly、buy cheapとbuy cheaplyには意味の違いはないが、形容詞形のほうが傾向としてはよりカジュアルである)
これらを踏まえると、カジュアルな場面であれば単純形副詞を使うことは、運用上問題なさそうですね。実用面から見てもごく自然な響きであることに間違いはありません。ただし、アメリカ以外の英語圏については、その許容度は相対的には低いようです。「文法的に間違いだ」と指摘される可能性がより高いということは認識しておくべきかもしれないですね。
比較としてあげるのは適切ではないかもしれませんが、筆者の感覚的には、単純形副詞のカジュアルさは日本語の「ら抜き言葉」のそれと似ている感じがします。「明日来られる?」と言うべきところを、「明日来れる?」と言っている感じ。「文法的には正しくないが、よく使われる」というところは似ている、そんな感じでしょうか。
比較級や最上級のときには、単純形副詞がよい
A Communicative Grammar of Englishには、さらに単純形副詞の使用についての解説がありました。
(-lyのつかない形のほうは、特に比較級や最上級でよく使われる。繰り返すが、副詞形のほうがよりフォーマルである)
単純形副詞は、比較級や最上級でよく使用されるそうです。実際、比較級や最上級のときのほうが、原級のときよりも自然になじむ感じはします。具体的に例文で比較してみましょう。
[単純形副詞] Can you speak slower?(もっとゆっくり話してくれる?)
[単純形副詞] We sent requests for an estimate to five companies and AAA Corporation responded the quickest.(見積もり依頼をした5社の中で、AAA社がいちばん早く対応してくれたよ)
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