これらは単純形副詞として使用することができる副詞の例です。単純形副詞にすることができるかどうかのひとつの目安としては、形容詞が派生語として同じ意味を表しているかどうかを確認するといいでしょう。
positively(前向きに) → positive(前向きの)
seriously(真剣に) → serious(真剣な)
differently(異なって) → different(異なる)
ただ、このルールに当てはまっても単純形副詞にできないものもあります。A Comprehensive Grammar of the English Language (Quirk et al., 2010, §7.7)によると
(標準的な用法としては、ある一定のかぎられた副詞のみが正式に形容詞と同様に使用される。したがって、以下のような文は認められない:)
*She buys her clothes careful.
なのだそう。suddenly(突然に)-sudden(突然の)と、carefully(慎重に)-careful(慎重な)は、副詞と形容詞で同義の派生語となりますが、これらは単純形副詞としては用いられません。
確実に単純形副詞にできるかどうかについても、実際にネイティブの使用例に触れ、感覚的に身につけるしかなさそうですね。「なかなかネイティブの英語に触れる機会がない」という方は、非ネイティブの英語も含まれてはしまいますが、インターネットで検索して、実際にどのくらい使用されているのかを確認してみるというのも手がかりのひとつにできるでしょう。
その他にも単純形副詞にすることができない副詞があります。-lyのつく形とつかない形で意味の異なる副詞になってしまうものがそれに該当しますので、「-lyの有無によって意味の異なる副詞」を、同じく『ロイヤル英文法』で見てみましょう。
dear(高い値段で《古》) ― dearly(愛情をもって)
full(まともに) ― fully(完全に)
hard(一生懸命に) ― hardly(ほとんど~ない)
high(高く) ― highly(大いに)
just(ちょうど) ― justly(正当に)
late(遅く) ― lately(最近)
most(最も) ― mostly(たいてい)
near(近く) ― nearly(ほとんど)
sharp(きっかり) ― sharply(鋭く)
short(短く) ― shortly(すぐに)
たとえば、shortly(すぐに)という副詞の場合、short(短く)としてしまうと、まったく異なる意味の副詞になってしまいますので、単純形副詞として使用することはできません。
→ ✕ The bus will be arriving short.(バスは短くなって到着いたします)
ちなみに、shortを使用すると、短くなったバスが到着するような感じに聞こえます。
単純形副詞にできる形容詞
いくつか例外的に単純形副詞のように使える形容詞がありますので、例を拳げてみましょう。
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