頼られる人が知る「見守る」「干渉する」のバランス 元ラグビー日本代表キャプテンが極意を明かす

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相談したくなる人が心がける、居場所作りとコミュニケーション(写真:KY/PIXTA)
会社の部下や同僚、家族、友人など、身の回りには悩みを持った人がたくさんいます。ただ、あなたが彼らの悩みを相談してほしいと思っても、そう簡単ではありません。
いったい、どんな人であれば相談したくなるのか。そのためには、どのような姿勢を持つことが重要か。相手と普段からどのようなコミュニケーションを取っておくべきなのか──。その極意を、元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗氏の『相談される力 誰もに居場所をつくる55の考え』から一部を抜粋してお届けします。

「居場所作り」がロイヤルティー向上につながる

会社でも家庭でも、それぞれに役割があります。

ラグビーチームという組織をまとめていくために、僕自身も居場所作りを心がけました。作業効率だけを優先するなら、スキルの高い人の仕事量を増やしたほうがいいかもしれない。けれど、1人ひとりに居場所があることで「自分がこの組織の力になっている」との実感が広がっていきます。それによって組織に対するロイヤルティーは高まり、「自分も貢献したい」という当事者意識も育まれていくでしょう。

子どもに対しても、同様のことが言えると思います。本人が関心を持つことで、家族にいい影響を与えさせる機会を作る。場合によっておつかいをお願いするとか、家族で遊べる遊びを考えてもらうとかいうことでもいいと思います。成果よりも、過程をしっかりと見て声かけをすることが重要だと思います。

ビジネスシーンでの居場所でも、「誰に、どれぐらい任せるのか」はポイントになるかもしれません。

僕自身は、「その人が好きなジャンル、得意なジャンル」で活躍してもらうことを、まずは大事にしています。普段は練習などで頑張らないといけないことはたくさんあるので、違うことに取り組める時間を作りたい、という思いもありました。好きなことや得意なことなら熱心に取り組んでくれるでしょうし、その人なりのアイディアを凝らすに違いない。前向きに向き合ってくれるので、失敗したとしても受け止めかたがポジティブで、それを教訓にもっといいやりかたにたどり着けるのではないかと考えています。取り返しのつかないようなミスは、起こりにくいと言えます。

もちろん、任せっぱなしはよくないので、流れに乗るまではサポートします。最初のうちは少し手厚く、慣れてきたら近すぎず、遠すぎずの距離感で。本人のなかで「こうやればうまくいくんだ」というものが見えてきたら、おおかた大丈夫でしょう。

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