頼られる人が知る「見守る」「干渉する」のバランス 元ラグビー日本代表キャプテンが極意を明かす

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誰かに怒られたら、僕はその理由を探します。訳もなく怒られるはずはないので、僕のどんな言動が相手の感情を刺激したのかを考えるのです。

その結果として、「自分によくないところがあったな」ということが頭によぎったら、相手との関係をどうやって修復していくのか考えます。もちろんその第一歩は、こちらから歩み寄ることです。

怒るのはあなたに「変わってほしい」から

自分が悪いのは間違いないけれど、こちらの言い分もわかってほしい、ということもありそうです。90パーセントは自分が悪いけれど、10パーセントは正しいところがある。そこは認めてほしい。それが10パーセントでも20パーセントでも、30パーセントでも、自分に悪いところがあったのは変わりません。とにかくまずは、自分が悪いところをきちんと修正して、同じ過ちを繰り返さないようにしていきます。

悪いのは自分だけど、そこまでキツい言いかたをしなくても……ということがあるかもしれません。それでも悪いのは自分のほうだから、消化しなければいけないのか……そこで僕が言い返したりしてケンカになったら、もっとしんどいことになるような気がします。個人的にはケンカは好きじゃなくて、感情論に走りたくありません。

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相手がなぜ怒っているのかの本質を突き詰めると、僕のことが嫌いだから怒っているのではなく、僕に変わってほしいからだと思うのです。両親が子どもを怒るのも、先生が生徒を指導するのも、「同じことを繰り返さないでほしい、友だちといい関係を築いてほしい」といった思いがあるからこそ。そこはゴチャ混ぜにしてはいけないですよね。

僕に怒ってくれた人の思いを受け止めて、僕がうまく変わることができたら──相手の人は僕を認めてくれるのではないかと思うのです。その後も気にかけてくれるんじゃないかと。

いつもできるわけではありませんが、そのような心持ちでいるようにしています。

すべてを変える必要はありません。本質から学び続けていこうと考えています。

廣瀬 俊朗 元日本ラグビー日本代表

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ひろせ としあき / Toshiaki Hirose

1981年、大阪府生まれ。ラグビーワールドカップ2019公式アンバサダー。スクラムユニゾン発起人。5歳のときにラグビーを始め、北野高校、慶應義塾大学を経て、2004年に東芝入社。1999年度、U-19日本代表、高校日本代表、2007年より日本代表。2012年から2013年まで日本代表のキャプテンを務める。2015年W杯では日本代表史上初の同大会3勝に貢献。通算キャップ28。ポジションはスタンドオフ、ウイング。

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