また同じ話!上司にそれとなく伝える「言い方」 帰り際に仕事を頼まれたときはなんと言う?

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場面1 帰り際に上司から時間のかかる仕事を頼まれた
×すみません、できないです。今日はもう定時になっていて時間切れです。
〇それは重要ですね。本当に今やりたいのですが、今日は少し体調がすぐれないので、明日でもよろしいでしょうか

×できないことを断定すると悪印象につながる

定時に帰りたいあなたは特別悪くはないのに、「すみません」と謝る言葉を出したのは偉いことです。しかし、もともと帰社時間を熟知している上司には言い訳にとられるかもしれません。そもそも断定語である「できない」を自分から早々と出したのは失敗。

否定に否定を重ねてしまっているので、ルール②の「全体肯定→部分否定」に持ち込む必要があります。仕事を振った上司としては「可能であれば」という軽い気持ちだったかもしれません。しかし、このように強く否定してしまうと心証を悪くしかねません。

「帰り際は悪いな」と自覚する可能性大

〇提案を肯定しつつ部分的な修正案を出す

それが重要なことだと理解しているという「全体肯定」になったのでOK。明日でもいいだろうかという「部分修正」提案もOK。もしも上司があなたの疲労や退社時間オーバーに気づけば「そうだね。明日いちばんで頑張ってよ」となるでしょう。また、誠実な上司なら「帰り際は悪いな」と自覚する可能性大です。このような言い方であれば、提案を断ったにもかかわらず、期待感を与えることもできて、より評価も上がるでしょう。

場面2 ライバル視している同僚から成功談を聞かされたとき
×やったね! それはすごい快挙だね。僕もうれしいよ
〇そんなことができるなんて本当にうらやましい!

×本音でないことは言わないほうが無難

過大にほめるのは、かえって不自然。実際の感情と言葉の過剰さにズレが生じて、ぎこちない表情や口調になってしまうおそれがあります。また「僕もうれしい」とうそをつくのは危険です。思ってもいないことを口にすると、無意識に相手から視線が外れてしまい、そのせいで本心がバレてしまいます。

〇素直な本音を混ぜてほめる

ライバルの快挙にいろいろな気持ちが渦巻いているはず。それを全部隠そうとすると言動が不自然になり、見せたくない本音が逆に露呈しやすくなります。そんなときは、素直な本音を少しだけ口にしてみましょう。「うらやましい!」というのは本当の気持ちの一部でしょうから無理なく自然に言えるはず。そうすれば、少なくとも悔しい気持ちは見せずにすみます。隠そうとするより、あえてチラ見せするほうがむしろ目立たないのは、欠点も本音も同じなのです。

こんな言い方も→それはよかったですね。

ライバルを相手に「うらやましい」と口にすることすら悔しい!という人はこのようなひとことで済ませてしまいましょう。さらっと流してしまうことで、心の内の感情に振り回されることなく、うまくやり過ごすことができます。

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