どんな料理かというと、主に2パターンである。
すなわち、味噌汁and漬物。
もう少し具体的に言えば、買ってきた食材は、まずは味噌汁の具にする。余ったらぬか床に埋めて保存。これが基本、そして最強パターンだ。
何しろやってみてわかったんだが、大体の野菜は味噌汁の具になる。例えば普通はサラダとかで食べるきゅうりとかレタスとかも、夏の味噌汁の具としては相当に美味しいのだよ。
さらに、大体の野菜はぬか漬けにもできるのである。ぬか漬けが無理なら塩漬けにしたりおから漬けという手もあり。いずれにせよ、この「汁と漬物」という2パターンさえ身につけていれば、どんな食材が余ろうがまったく動じることはなく、無念無想、瞑想のごとくただただ粛々と消費していくのみである。
で、これって考えてみたら「一汁一菜」ってやつだ。かの土井勝先生も推奨しておられるわが国が誇る伝統的な基本食である。
冷蔵庫のない時代の生活に学ぶ
言い換えれば、冷蔵庫が行き渡る前の日本人はおそらく今の私のようにして食材を使い回していたに違いない。念のため言うておくが、わが国に冷蔵庫が登場したのはほんの100年ほど前のことであって、それまでの日本の歴史のほうが圧倒的に長いことを忘れてはなりませんぞ。
世のほとんどの方が、私が冷蔵庫を持っていないというと「うっそー」「信じられない」などとおっしゃるが、昔の人から見れば、そのような反応こそ「うっそー」「信じられない」にちがいないのであって、圧倒的な経験値の高さという意味では、冷蔵庫のない時代のやり方のほうが、俄か仕込みの冷蔵庫時代とは比べるべくもなく、わが国の気候風土においてまったく合理的な、無理のないやり方であると考えるべきなのではないだろうか。
ついでに言えば味噌や漬物の発酵食を常食することになるので健康にもバッチリだ。
ってことで私、もう何の問題もなくこのような食生活を粛々と送り、結果としてフードロスと一気に無縁になったばかりか、料理にかける手間も時間も大幅に短縮されるという夢のような生活を始めて今に至るのである。
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