何しろ「フードロスをなくすこと」と「レシピ本を見て料理すること」は、とても「相性が悪い」のだ。
どういうことか。順を追って説明しよう。
フードロスとレシピ本の「相性が悪い」理由
冷蔵庫をなくしてから、原則として「その日に食べるものはその日に買う」生活を始めたことは前回書いた。そもそも食材を保存しないことにすれば、冷蔵庫がなくとも問題なく自炊できるのである。
でもそうなると、うかつに食材が買えなくなってしまったことも書いた。なぜなら、現実には「その日に食べるものはその日に買う」というのは一人暮らしの身にはまったくもって困難な目標で、野菜など懸命に食べても2、3日はどうしても持ち越してしまうのである。
となれば、それがなくならないうちに別の何かを買う「余裕」などない。「今あるものをとにかく食べ尽くさねば」と、つねに食材に追いまくられる日々を過ごすことになったのだった。
で、そうなるとたちまち、レシピ本の出番がガクッとなくなってしまったのである。
だって、レシピ本に載ってるような料理って、材料がそこそこ多い。複数の素材を組み合わせて完成するものがほとんどだ。
なので、ある料理を作ろうと思ったら、その日のうちに使い切れなかった複数の食材を抱え込むことになる。となると、その余ったやつをどうにかして食べきらなきゃいけないってことになり、でもここでまたレシピ本に頼ると、新たな別の食材を買い足さなきゃいけなくなる。
で、またその新たな使い切れない食材を抱え込むことになり、それをどうにかして食べきらなきゃとまたレシピ本を見てまた別の食材を買い……なーんてことををやっていたら、雪だるま式に使い切れない食材がどんどこ増え続けることになる。
つまりは、冷蔵庫のない身としては、レシピ本を見て料理することがまったく現実的ではなくなってしまったのだ。ってことで、山のように持っていたレシピ本のほとんどをがっさり処分することになったのである。
で、私の自炊生活はどうなったかといえば、レシピ本など見なくともサルでも作れるような、単純すぎる料理しか作れなくなった。
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