「悪口や愚痴を言わない人」が実は危険である理由 怒りには「現実と感情」で対処を切り分けよう

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それでは、強い怒りを感じた時、具体的にはどのようにしていけば良いでしょうか。私が一般の方向けに開発した「感情のケアプログラム」では、さまざまな方法を用意しています。人によって合う合わないもあるのですが、ここでは極めてシンプルで、比較的多くの方に有効な「味方工作」という方法をお伝えしましょう。

怒りを感じたら、真っ先にするべきこと

相手が不遜な態度をとって、思わずプチン! 怒りが発生したとします。

あなたが最初にするべきなのは、直ちに距離をとること。その場を速やかに離れて、トラブルの相手が見えず、声も聞こえない場所に移動します。

物理的に無理な場合は、スマホで動画を見る、好きなアイドルやペットのことを思い出す、呼吸に集中するなどして、イメージの中で距離をとるようにしましょう。自分なりのお題目を唱えるのも有効です。私は「気は長く、心は丸く、腹立てず、口慎めば、命長かれ」というお題目を思い出すようにしています。結構長いので、一つひとつを思い出しているうちに、イライラからから少し距離を取れます(図を参照ください)。

(イラスト:『自衛隊メンタル教官が教える イライラ・怒りをとる技術』より)

このようにして感情のピークをなんとかやり過ごしたら、次のステップとして、さらに怒りをケアしていきます。

この段階で、効果的なやり方の一つが「味方工作」です。

平たくいうと、怒りを感じたら他の人に相手の悪口や愚痴を言う、ということです。

「え! そんなことはしては、人としてダメでしょ」と、ギョッとする方もいらっしゃるかもしれません。

たしかに、世の中には「人の悪口を言ってはならない」「愚痴をこぼしてはならない」という価値観が根強いです。

悪口は耳にするのも快いものではありませんし、愚痴ばかり言う自分に幻滅することもあります。怒りのままに悪口を言いふらしていたら、回りまわって相手に伝わり、トラブルが悪化することもあるでしょう。だから、世の中には「悪口は言ってはならない」という強い戒めもあるわけです。

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