岡山の「高卒」男子、「商社マン」になる 居酒屋バイトから一念発起、今はインド勤務

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常盤:その後、所属していた支社の上司が独立するときに、「また一緒にやらないか?」と声をかけてくれたので、そこに創業メンバーとして参加しました。同じような訪問販売の仕事をしましたが、なかなか楽しかったです。3年ほど勤めましたが、上層部の決裂でその会社が分断されることになり、それをきっかけに違うことをやってみようと思いました。

これも運がよかったのですが、たまたま中学の同級生がビジネスコンテストで優勝し、賞金の資本金はあるのだけど、実際、なにも事業は動いていないという状況で、相談を受けました。そこで、自分たちで広告関係の事業を始めることにしたのです。

石崎:濃い経験をされていますね。しかし、常盤さんのそのしぶとさは現地採用向きなのかもしれませんね。

常盤:そうですね。こう見えて図太いほうだと思いますし、これまでの経験を通じて、メンタルはさらに鍛えられたと思います。メンタル面以外でも、その広告関係の会社でのさまざまな経験は、今の実務に明確に生きていると思います。

企画、経理、営業、なんでも自分でやりました。学がない自分なので「知らないこと」だらけです。だから、インターネットで調べたりしながら、なんとか進めていく。わからないことでもやりながらノウハウを培っていく、というスキルは、今の日本人ひとりというアーメダバードの過酷な環境でもたいへん役立っています。

月収2万円の友人がごちそうしてくれた夕食

石崎:起業家的な素養や経験が、現地採用、特に自ら切り開いていくことが必要な過酷な現場で求められてくるというのは、面白いですね。今後、インドは日本にとってさまざまな意味で重要な国になると思いますが、その辺りについては、どうお考えですか?

常盤:インドと日本は比較的よい外交関係にあり、つい先日も、日本が今後5年間でインドに約3.5兆円の投融資をすると発表しました。ビジネス面では、日本人ということで優遇を受けることは多いように感じています。

それ以外にも、インドはいい国だと思います。インド人の持つ愛情や独特の温かさは、個人的にも賞賛しているところです。過去に、インド人の友人と2人で飲みに行ったのですが、「卓也はインドのお客さんだから」と、そこの食事代をごちそうしてくれました。

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